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2008年01月17日

「多羅尾伴内」(その4)

今回は、前作から5年のブランクがあって復活したシリーズ第5作から第7作についてです。今回取り上げる第5作からタイトルに「多羅尾伴内シリーズ」という文字が含まれることになった。また、今回の3作は全て「○○の魔王」というタイトルとなっているが、連続した物語ではなくて独立した物語である。(のは言うまでもない。)

シリーズ第5作多羅尾伴内シリーズ 片目の魔王」(1953年)
作品データを記しておくと、1953年の東映京都の作品で、時間は100分の白黒作品である。監督は佐々木康、脚本は比佐芳武、撮影は杉田正二、美術は角井平吉、音楽は吉村正志である。そして出演は、片岡千恵蔵、原健策、加賀邦男、千原しのぶ、花柳小菊、清水一郎、徳大寺伸、進藤英太郎、三浦光子、植木千恵、時田一男、山室耕、織井茂子、山口勇、コロンビア・ローズ、島田照夫、たちである。

密輸船の乗組員が殺されるという事件が発生した。更に、第二の殺人予告があり、2人目の犠牲者が出る。警察は捜査を開始し、容疑者を断定するが、既に得意の変装を駆使して調査を開始していた伴内は、警察の見解を否定する。やがて、調査を続けている内に、これらの事件は「片目の魔王」という大きなダイヤに関係がある事が判る。そして事件は、「片目の魔王」というダイヤを巡っての争奪戦へとなっていく...

今までの作品よりも時間が長くなったということもあって、(バレバレの)伴内の変装をはじめ、たっぷりと見せてくれる娯楽作品となっている。展開の方もなかなか面白い。

シリーズ第6作多羅尾伴内シリーズ 曲馬団の魔王」(1954年)
作品データを記しておくと、1954年の東映京都の作品で、時間は84分の白黒作品である。監督は佐々木康、脚本は比佐芳武、撮影は三木滋人、音楽は吉村正志である。そして出演は、片岡千恵蔵、轟夕起子、宇佐美諄、三宅邦子、西条鮎子、原健策、深見泰三、石黒達也、山口勇、加賀邦男、たちである。

あるサーカスで連続殺人事件が起こる。その前に子供の血液型が違うことを理由離婚された女性について調査をしていた多羅尾伴内は、変装してサーカスに潜り込んで調査を開始する。やがて、子供のすり替えにより、富豪の財産を巡る争いがあることが判り...

お馴染みの変装の方はツッコミ所満載であるものの、殺人事件の裏に隠された陰謀が明るみになっていく所はなかなかスリリングなところがある。展開はちょっとゆっくりしているが、娯楽作品としたら十分楽しむことが出来る。

シリーズ第7作多羅尾伴内シリーズ 隼の魔王」(1955年)
作品データを記しておくと、1955年の東映京都の作品で、時間は80分の白黒作品である。監督は松田定次、脚本は比佐芳武、撮影は川崎新太郎、美術は森幹男、音楽は深井史郎である。そして出演は、片岡千恵蔵、波島進、加東大介、喜多川千鶴、田代百合子、天野脩次郎、清水将夫、日高澄子、立松晃、三島雅夫、山本麟一、たちである。

野球・日本シリーズの試合中にホームランを打ったレッドソックスの強打者・高塚が突如原因不明の死を遂げた。多羅尾伴内は事件の究明に乗出し、何者かが背後から猛毒の針をうちこんで殺したことが分かる。更に、次の試合の後、試合を勝利に導いた青池も高塚と同じ毒針で殺された。そして、事件の背後に野球賭博が絡んでいることを突き止めた伴内は...

お約束の変装もさることながら、事件の手口がちょっとユニークであり、またスリリングなところがある。(この手口、「銭形海・3rd.2話」で松山さんが口にした珍推理に似ている所があって、ちょっと面白い。→こういう所まで「ケータイ刑事」は参考にしているとしたら、凄いことになります。)また、本作では、伴内に対抗するようなライバルの女探偵が登場するなど、娯楽作品として楽しめる所が増えているのもまた嬉しい所である。

今回の3本は、制作から50年ちょっとという作品であり、社会インフラが現在と大きく違っているのは仕方がないところである。が、昭和20年代前半のシリーズ第4作までと5年の間に、戦後日本の復興のスピードが如何に速かった、というようなことも感じさせていて、前4作とも少し違う世界になっているということも感じさせてくれる。(多羅尾伴内の活躍は同じですけど...)

ところで、今回の3本はソフトの方でも殆ど目にする機会が無い。色んな事情があることは分かるが、何とかソフト化(DVD化)してもらいたいのですけど...

片目の魔王

  • 出版社/メーカー: 東映ビデオ
  • 発売日: 1999/09/21
  • メディア: ビデオ

多羅尾伴内 隼の魔王

  • 出版社/メーカー: 東映ビデオ
  • 発売日: 1999/09/21
  • メディア: ビデオ
↓参考まで

多羅尾伴内 [少年向け:コミックセット]

  • 作者: 石森章太郎・小池一夫
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • メディア: 新書

多羅尾伴内―七つの顔の男

多羅尾伴内―七つの顔の男

  • 作者: 関 貞三
  • 出版社/メーカー: ワイズ出版
  • 発売日: 2005/03
  • メディア: 単行本
posted by MEICHIKU at 13:30| 京都 曇り| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画(邦画) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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