ある神社の境内。いきなり銭形ストラップが飛ぶ。「愛の光で闇を討つ。」愛ちゃんの口上が炸裂する。が、それは五代さんと一緒に指人形劇をして遊んでいるのだった。愛ちゃんもこの人形を「可愛い」と言って気に入っていました。で、指人形で、友達の雛子を出して「♪灯りを点けましょ丼に」と歌う五代さん。で、愛ちゃんは「丼じゃないよ」と突っ込む、といういつものコントをしていた。(→「BS初」ということで色々なことを行う「ケータイ刑事」ですが、人形劇というのも考えていないのでしょうか?が、人形劇は他の番組で部分的に行われているので、「BS初」にはならないか...)
そうしていると「警視庁から入電中」という事件を知らせる入電が入り、携帯を取り出す愛ちゃん。渋谷区松濤、おかめビル5F・アトリエ寿にて殺人事件発生。被害者についての詳細は不明。第一発見者は人形作家・寿冥宝(ことぶき・めいほう)。直ちに現場に急行せよ。ということで、「五代さん行きますよ、事件です」と言って、自転車に乗って現場に向かう愛ちゃん。五代さんは愛ちゃんを追いかけるように走って現場に向かった。そんな二人が神社から出て行くのを見ている一人の影の姿があった。
現場では、寿冥宝の新作雛人形の展示会が行われていた。五代さんと愛ちゃんが現場に到着すると、警察手帳を示し「警察の者です」と言う五代さん。対応したのは弟子の小向優子(こむかい・ゆうこ)であり、二人を案内する。で、7段飾りの雛人形の前に連れて行く。人形を見た愛ちゃんは「あれ?お雛様が全然そろってな〜い」と、人形が殆ど無いことに気づく。それとほぼ同時に「優子さん」と呼ぶ声がして、人形作家の寿冥宝がやってきた。愛ちゃんは「殺人事件の通報を受けてきたんですけど、何処にも見当たらなくて...」と尋ねる。すると冥宝は「ここです」と言って、段飾りの下をみせる。そこには三人官女の真ん中の人形が、人形用の刀剣で刺されて転がっていた。で、

三人官女が転がっていた所に黄色い立入禁止のテープが張られ、捜査開始。柴田さんが鑑識作業を始めている。愛ちゃんは携帯で現場写真を撮影しているが「前代未聞ですよ、人形が殺人事件なんて...」と呆れ顔でいた。が、柴田さんは「愛ちゃん、知らないね。この人形にまつわる恐ろしい噂」と切り出す。
その頃、五代さんは優子から話があると言われ、それを聴いていた。優子の話は、一月程前から冥宝の周りの人が次から次に亡くなっていった、というものだった。冥宝の一番弟子から始まり、友人、マスコミの人間などで、雛人形が一体刺されているのが見つかるごとに一人ずつ、男雛が刺されると必ず男性が、女雛が刺されると女性が殺されたのだった。(お殿様の時に弟子、堤銚子官女の時に編集者、三宝持官女、謡、台傘の時に友人、平太鼓と大皮鼓の時に記者、小鼓と笛の時に評論家、立傘と沓台の時に業者)で、死体の側には雛人形があり、優子は偶然とは思えない、と語った。(既に11人の死者が出ていた。)
愛ちゃんもPDAで「呪いの雛人形」という所に接続して調べていたが、(マニアの柴田さんは頭に入っていて)凶器も今だ見つかっていないと言う。が「嘘ですよ、そんな呪いなんて。誰かのいたずらに決まってますってば...」と愛ちゃんは呪いを否定する。が、柴田さんがお雛様を手にして愛ちゃんに見せて「「よーく見て下さい。人形なのに妙に艶っぽい、そして生々しい」と言う。で、愛ちゃんは「分かった、唇だ。真っ赤ですね」と言う。→その色は、絵の具では決して出せなくて、冥宝で無ければ出せないと言われる謎の「冥宝カラー」だった。で、愛ちゃんは「人形が刺される度に一人ずつ...」と呟き、それから「匂う、悪の香り」
応接室に移動した五代さんは、引き続き優子の話を聞いていた。既に11人も死んでいると言うことは冥宝も知っていたが、冥宝はそれよりも自分が作った人形が刺されていることの方がショックだと言い、次は自分が殺されるのではないかと怖く感じていた。で、五代さんは「大丈夫ですよ、呪いなんて絶対にありませんから。事件の真相は私が解明して見せます」と勇気づける。(これは美人相手の場合のいつもの五代さんです。)で、五代さんは質問を始めようとして手帳を取り出し「ご趣味は?」と尋ねる。これに「はっ?」と優子。すかさず「星座とか血液型とか...」と尋ねる五代さん。これに「蠍座、AB型、趣味は五代さんのお守りをすることです」と愛ちゃんが答える。(これは愛ちゃんのことです。が、「蠍座」と言ったことで、OPに「6月4日生」とあるのは当てはまらなくなります。(6/4ならば双子座)ということで、愛ちゃんの生年月日は1985年11月4日と考えるのだ妥当かと...)いつの間にか愛ちゃんも応接室にいました。これに「何だよお前、急に現れて...」と五代さん。が、愛ちゃんは「何してるんですか、五代さんこそ。綺麗な女の人目の前にしたら、いっつも鼻の下伸ばして...」と


冥宝の下に駆け連れた愛ちゃんたち。そこは廊下の突き当たりのスペースで、冥宝が呆然となって

更に愛ちゃんは、その側に右大臣と左大臣の人形が共に胸を刺されて転がっていたのを発見した。五代さんがその二体の人形を手にして「次の犯行予告じゃないか?」と言うと、右大臣と左大臣の説明をしてくれる。(若いのが右大臣、おじいちゃんが左大臣)が「そんな豆知識要りませんよ」と愛ちゃん。が、次に狙われるのは男2人という認識は共通だった。そんな中、五代さんは右大臣の人形を見て「見れば見るほど俺にそっくりじゃないか」と言って慌て始める。が、愛ちゃんは考えていて、一人は若く、もうひとりはおじいさん、ということから「

アトリエの入口にやってきた愛ちゃんと五代さん。が、そこには誰もいなかった。が、エレベータのドアが開くと、アトリエ寿の二人の警備員が死んでいた。で、それを見て「右大臣と左大臣」と愛ちゃんは呟き、一歩遅かったことを認識する。また、五代さんがエレベータの中を見てみるが、やはり凶器はなかった。で「14人目、残るは...(お姫様)」と愛ちゃん。
ひな壇の前で、冥宝は呟いていた。「とうとう一人ぼっちになっちゃったわね...」で、優子にお姫様の側に友達を置いてあげて、というと出て行った。で愛ちゃんが後を追いかけ、冥宝が手にしている人形を現場に残された唯一の証拠なので調べさせて欲しい、と言うが、冥宝は「この子たちは人間なのよ」と言って拒否した。五代さんはそんな冥宝を見て「怪しいなぁ、怪しすぎるぞ」と言うが、凶器が見つからないので犯人と断定できないと悔しがっていた。一方、愛ちゃんは、冥宝のことを「怖〜い」と言っていました。(ここでAパート終了。経過時間は12分を越えたところでした。よってBパートは14分に少し足りないぐらいになります。また、アイキャッチの色はややマゼンダ寄りの赤でした。)
再び雛壇の前にやってきた愛ちゃんと五代さん。今度は雛人形が全て揃っていた。それを見た五代さんは「また一から雛人形の呪いが始まるんじゃないだろうな...」なんてことを言い出すが、愛ちゃんは、さっき冥宝が優子に「別のを並べておけ」言ったことで、優子が並べたと言うことを口にする。で、安心する五代さん。が、愛ちゃんは並べられた雛人形を見て「何か、さっきと違う」と言って携帯を取りだして、最初に撮影した写真と比べる。で、右大臣と左大臣の位置が違っていることに気づいた。(右大臣が向かって右側、左大臣が向かって左側に並べてあったが、本来は、姫様から見て右に右大臣、左に左大臣というのが正しい位置である。)で、五代さんが右大臣と左大臣を置き換えた。で、愛ちゃんはこの雛人形を置いたのは優子であり、優子は冥宝の弟子でプロである。が、プロが置き方を間違えるものなのか?と疑問を持った。
愛ちゃんは優子をマークすることにした。で、ある部屋の

優子は動機を語る。それは「冥宝カラー」と言われている真紅の唇の色は、実は血であり、人形一つ一つに儀式の様に塗っていたが、人を殺し、その血を塗っているのを見たと言うのだった。で、五代さんは納得し、愛ちゃんも「魂を封じている」と言った冥宝の言葉を思い出して納得した。で、こうなれば証拠を捜している場合では、と言って、冥宝の居場所を尋ね、冥宝を逮捕しに向かう。
雛壇の前にやってきた愛ちゃんと五代さん。そこで二人は残っていたお姫様の人形が胸を刺されているのを発見した。「15体目...最後のお雛様...」愛ちゃんが呟き、優子のことが気になり、急いで応接室に戻る二人。が、応接室に優子はいなかった。その時、冥宝の悲鳴が届いた。慌てて声のした方に駆けていく二人。が、部屋には鍵がかかっていて扉は開かない。で、五代さんが体当たりをしてドアを破り、中に入る。(この辺りはラグビーで鍛えた五代さんです。)
中に入ると、そこには左腕を怪我した優子と、雛壇の前で胸にナイフを突き刺して死んでいる冥宝がいた。優子は、突然冥宝が襲い掛かってきて、必死に逃げた。そんな時、外で愛ちゃんたちの声が聞こえた。すると、冥宝は観念したのか、自殺したのだと証言した。怪我をしている優子を五代さんが外に連れて行き、愛ちゃんは冥宝の死体を確認しようとして雛壇に近づく。で、冥宝の胸に凶器があるのを発見した。また雛壇から人形を一つ手にして、それを確認する。で、「謎は解けたよ、ワトソンくん」
五代さんは優子の怪我を手当てして、エレベーター・ホールの前のベンチに腰を下ろし、心配そうにして「大丈夫ですか、優子さん?」と尋ねる。これに大きく頷く優子。五代さんは「冥宝は自ら後でこの事件の幕を下ろしたんですね」と呟く。そうしているとエレベーターが到着して愛ちゃんが降りてくる。そして「真犯人が分かりましたよ。真犯人は、優子さん、あなたです」と告げる。これに笑うようにあしらう優子。で、愛ちゃんは説明を始める。(場所はエレベーターホールなのに、そこに逆さになったお雛様のアップを重ねるという、今回も凝った演出です。)
優子は、弟と仲が良かったと言ったが、それは嘘で、本当は遺産相続を巡ってずっと争っていた。で、邪魔になった弟を殺し、殺人の容疑を薄めるために呪われた雛人形の噂を思いついた。そして一人一人を人形呪いで死んだように見せかけ、最後に冥宝を犯人に仕立てて、自殺に見せかけて殺した。こうすることで完全犯罪にするつもりだった。すると優子が「何言ってるんですか?証拠もなく」と反論する。これに愛ちゃんは腕の傷はたいしたことなく、自分で刺したものだ、と言う。で、優子の言っていたことが本当ならば、冥宝の胸に刺さっていたナイフから優子の血が検出されるはずだが、絶対に出てこない、と言い、優子の血はこっちから出てきます、と言うと、愛ちゃんが乗ってきたのとは別のエレベーターのドアが開き、右大臣の雛人形が登場する。(タイミングも絶妙で、実に凝っています。)
愛ちゃんはエレベーターが開くとその右大臣の雛人形を手にして戻ってくる。そして雛人形の頭を抜いた。すると頭にはナイフが仕掛けられていて、方の人形にも全て同じ仕掛けがしてあった、と言う愛ちゃん。で、冥宝は人形一体一体にそのナイフで自分の指を切って、魂を込めて自分の血を塗っていたのだった。で、その仕掛けに気づいた優子は、それを使って何度も犯行に及んだ。(つまり、いつも凶器は現場にあった。)で、五代さんも「そういうことだったのか...」と納得した。が、愛ちゃんは続ける「でも、最後15人目、冥宝さんを殺そうとした時、予想外に早く到着した私たちに相当慌てたんですね」と言って、右大臣と左大臣の頭を逆にはめてしまったことを語った。すると優子は下を向き、それから立ち上がって笑い出し、愛ちゃんの側に寄ってきた。そして愛ちゃんをあざ笑うような笑い声を残すと、冥宝の作業室に駆け込んだ。
作業室に入った優子はそこでも高笑いをしていた。すると愛ちゃんの口上が始まる。「愛の光で闇を討つ。…」(今回も光を使った演出が栄えています。)さして「火傷するよ!」からストラップを投げる。(風に乱れる愛ちゃんの髪が実にカッコイイ!)銭形ストラップが飛んで行き、優子を確保した。
逮捕された優子に「詳しい話は署で聞こうか」と五代さんは言い、優子を連行していくが、優子はやはり笑っていた。愛ちゃんはそれを見送るのだった。
事件解決後、再び神社にやってきた愛ちゃんと五代さん。愛ちゃんは「とんだ雛祭りだったなぁ〜」とぼやいていた。すると五代さんが「まあまあ、これあげるから」と言ってひなあられを愛ちゃんに渡す。(この翌年の雛祭りの時は「へなあられ、買ってけろ」と泪ちゃんに言われて買っていた五代さんです。)で「ありがとうございます」と言う愛ちゃんだったが、気分は曇っていた。そんな愛ちゃんは、神社の境内にいる男が自分に向かってお辞儀をしたのを目にすると、頭を下げ、そして手を振り返す。で、先に歩き出していた五代さんは誰もいない所に手を振っている愛ちゃんに気づき、「誰に手を振っているんだ?おい、銭形、行くぞ」と声を掛けた。で、愛ちゃんは五代さんを追いかけて行った。神社の境内にはお殿様とお姫様の雛人形が並んでいた。
今回の物語は、「凝った演出」という所がまたも目立った物語であったが、光と影を上手く使うのは映画的な表現方法としては一般的であるのだが、今回の物語の監督はドリマックスの松田礼人監督ということで、テレビ畑の監督である。(後のシリーズでも凝った演出は行われているが、やはり「銭形愛」の演出の凝り方には及ばない。)それなのに、この演出は凄い。やっぱり「銭形愛」は凄い作品であるということを感じられる1本ですね。
次回は第23話「姿なき犯罪者 〜凡才柳沢教授の生活」という物語である。この物語は「ケータイ刑事」シリーズにおいても一つのエポックメイキングとなった物語で、ゲストのキャスティングからプロットが作られるということになった物語である。(ということで、これも意味深い物語である。)また、これまでもいくつかのパロディは登場しているものの、この物語が「パロディ路線」作品の原点となったもので、色々とネタが仕込んである物語でもある。(が、TV番組のパロディは、本放送の時はともかく、本放送から4年以上も経過すると、「そんなもの、あったなぁ〜」と言うことになってしまい、ちょっと苦しく感じられてしまう。→この経験から「銭形雷」では映画のパロディを中心にはたということなんでしょうね)今までの「銭形愛」とは少し毛色の違う物語であるが、妹たちや従姉妹の活躍を見ていたら、少しおとなしく感じてしまうのも、また正直な所でもありますが...
↓「へなあられ」の泪ちゃんはこちらに収録されています。

ケータイ刑事 THE MOVIE バベルの塔の秘密~銭形姉妹への挑戦状+TVシリーズ オリジナル・サウンドトラック
- アーティスト: サントラ, ナミ&チヨ
- 出版社/メーカー: ヤマハミュージックコミュニケーションズ
- 発売日: 2006/02/01
- メディア: CD
↓指人形ということで

親子で楽しく「ぬう」と「あむ」―ヘアアクセサリー、バッグ、指人形、マフラーが作れる! (FamilyセレクトBOOKS)
- 作者: 熊田 まり, GON‐YA
- 出版社/メーカー: 主婦の友社
- 発売日: 2006/08
- メディア: 単行本

大好き!パペット―パペットや指人形など、かわいくて楽しい、そして心和む人形たちがいっぱい! (レディブティックシリーズ―ソーイング (2329))
- 作者:
- 出版社/メーカー: ブティック社
- 発売日: 2005/08
- メディア: 単行本
ラベル:ケータイ刑事