秋分の日も過ぎて、季節は完全に秋真っ直中ですね。「○○の秋」という言葉は昔から語られているが、今年は何の秋にしましょうか。いや、やはり迷うこと無く「読書の秋」ですね。
ただ、今年の秋は例年通りの「読書の秋」にはならないのでもあります。それは、「青空文庫」が危惧を抱いているが、TPPによって著作権保護期間が延長されそうだ、という心配があるためである。
詳しいことは「青空文庫」の方を見て頂きたいと思うが、最も心配しているのは、著作権保護期間の延長が遡及された場合のことである。(しかし、法改正によって、その改正内容が遡及するということになると、完全に自国が現代の国際法治国家ではなく、前時代の野蛮国家であるということを国際的に宣言するようなものである。→東アジアに位置する某国は、国際法無視は当たり前で、暴論ばかり口にしているが、そんな国は21世紀に存在する価値がなく、現代社会に於いては「異常な狂気国家」である。))
日本では、現行法での著作権保護期間は50年であるが、これを20年延長して70年にしようとしている。つまり、もしも遡及された場合はこの20年という歳月が影響することになる。
現時点では、2013/12/31限りで著作権が消滅したものが最も新しいことになる。その時に著作権が消滅した作品は、1963年に亡くなった作家の作品である。20年延長されて遡及されると、1943年に亡くなった作家の作品ということになり、1944年から1963年に亡くなった作家の作品は著作権が復活することになる。
本年中にTPP合意が行われて著作権法が改正されて施行されたら、前述の様になるが、改正法の施行日が来年(2015年)になると、1944年に亡くなった作家の作品は2014/12/31限りで著作権は消滅するので、1945年から1964年に亡くなった作家の作品は著作権が復活することになる。
「青空文庫」をはじめ、Kindleストア、Reader Store、kobo電子書籍ストア、その他の電子書籍ストアで無料でDL出来る作品の内、著作権が復活した作品は無料でということは出来なくなる。つまり、削除されるか、有料になるということである。
1944年に亡くなった作家の作品は、本年内に改正法が施行されたとしても、来年(2015年)になると保護期間終了となり、著作権が消滅するので、それほど気にする必要はないが、現在はパプリックドメインになっている1945年から1963年に没した作家の作品は「無料」では得られなくなってしまう。(1年経過ごとに、順次著作権期間が満了していきますが…)
そのため、ここに該当する作家の作品は、(パブリックドメインであって無料で得られる)今のうちに入手しておくべきなのである。
で、この期間に無くなった作家というと、蒼々たる顔ぶれが並んでいる。(大正から戦前の昭和の時代に活躍した作家から、日本を代表する作家も大勢いて、太宰治、菊池寛、永井荷風、吉川英治たちが該当する。)
読むのは来年になってからでも良い(個人の私的利用の範囲での利用であれば問題は無い。)が、今のうちに「青空文庫」でDLをしておきましょう!!(千タイトルまではいかないものの、500タイトルぐらいはDLすることになるかと思われる…)
ということで、今年はちょっと変わった「読書の秋」になることが確定です。
「文化の保護」は重要だけど、過度の保護は文化を滅ぼすだけである!!
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