収録されているのは以下の全10曲である。『Shadows Of The Night』『Looking For A Stranger』『Anxiety(Get Nervous)』『Fight It Out』『Victim』『Little Too Late』『I'll Do It』『I Want Out』『Tell It To Her』『Silent Partner』。
本アルバムからは、『Shadows Of The Night』や『Looking For A Stranger』、そしてアルバム・タイトル・ナンバーでもある『Anxiety(Get Nervous)』など、彼女らしく聴かせてくれる曲はあり、悪い出来ではないのだが、後半になるとドンドンポップになっていき、ロッカーを期待する方には失望されてしまう。が、ポップな彼女は、それはそれでまた新たな魅力があり、『Victim』『I Want Out』『Tell It To Her』という所はそれなりに纏まっていて、'80'sサウンドらしさがある。
人は変わっていくものであり、彼女もロック・ボーカリストからシンガーへと変わっていこうとしたが、不幸だったのは、彼女があまりにも「女性ロック・ボーカリスト」として大きく祭り上げられていたということであろう。ポップになった彼女はそれなりのヒットはしたものの、大きく受け入れられることはなかった。やはり、「PAT BENATAR」と言えばパワフルなボーカルをエネルギッシュに歌うロック・ナンバーというイメージが大きすぎたのである。
が、'80'sサウンドがお好きな方には、ポップな本アルバムを介して、彼女の熱いロック魂に満ちた他のアルバムを経由して、ロックの世界に足を踏み入れるということをすればよろしいかと。尚、本アルバムは、これまでの彼女の支持者には反発されたが、ポップなサウンドが好きな人たちには受け入れられているので、決して悪いアルバムではありません。(こういうのも'80'sらしいところです。)やはり、'80's前半の時期というのは色々と会って面白いということです。