映画データを記しておくと、原作はアーサー・ハーツォーク、監督はマイケル・アンダーソン、脚本はルチアーノ・ヴィンチェンツォーニとセルジオ・ドナティの2人、撮影はテッド・ムーア、音楽はエンニオ・モリコーネである。そして出演は、リチャード・ハリス、シャーロット・ランプリング、ウィル・サンプソン、ボー・デレク、キーナン・ウィン、ロバート・キャラダインたちである。
音楽がモリコーネという所に注目であるが、それ以外は今ひとつで、「ジョーズ」の鮫をシャチに置き換え、鮫よりも賢いシャチということで、それなりに人を襲う動機付けがされているものの、説得力には欠けている。
サントラ盤に収録されているのは以下の全11曲である。『Orca』『Early Ices』『Intermezza』『Dialogo Of The Memories』『Fight, The Victory, The Death』『Ball At Home』『Nocturne For A Remorse』『Attack And Mistake』『Opening And Encounter』『Arrival At The Pole』『Orca(Finale)』。
モリコーネが担当していると言うことで、こちらの方は雄大な自然の大きさを感じさせる曲があり、映画よりもハルカに充実した内容になっている。
それにしても、「ジョーズ」の与えた影響は大きいものである。鮫に続いて、本作のシャチ、更にはワニ(アリゲーター)、蜘蛛、ピラニア、ヘビ、…というように、色々な動物が人々を襲うというパニック映画が雨後の筍のように登場した。が、やはり「ジョーズ」の鮫のインパクトにはいずれもが敵わなかった。また、「大空港」や「タワーリング・インフェルノ」などの災害パニック作品といい、'70'sの時代にはこの種のパニック映画が多数あり、「二番煎茶」というイメージが強い本作は未だにDVD化されていないというように不遇の扱いをされている。まあ、'70'sのパニック映画をたくさん見ていたら、本作もチェックということでよろしいかと...