映画データを記しておくと、原作は(その)ウィリアム・シェイクスピア、監督はティム・ブレイク・ネルソン、脚本はブラッド・カーヤ、撮影はラッセル・リー・ファイン、音楽はジェフ・ダナである。そして出演は、ジョシュ・ハートネット、ジュリア・スタイルズ、メキー・ファイファー、エルデン・ヘンソン、アンドリュー・キーガン、レイン・フェニックス、ジョン・ハード、アンソニー・ジョンソン、マーティン・シーン、クリストファー・ジョーンズたちである。
物語は、アメリカ南部にある全寮制の高校、バスケットボール部に所属する白人のヒューゴは、チームの花形選手であるオーディーンに深く嫉妬の心を抱いていた。オーディーンはこの学校で唯一の黒人であり、勉学の方も成績優秀、スポーツは万能、しかもプロ入りも確実と言うことで、全校生徒のあこがれの的であった。しかも、チームのコーチであるヒューゴの父までもがオーディーンを目に掛けていた。で、ヒューゴはオーディーンの彼女であるデジーに対して罠を仕掛ける。そこから悲劇は始まり...
原作が「オセロ」ということもあって、なかなか良く練られた人間の心理面を描いている。サスペンス仕立てと言うこともあって、物語に緊張感もあり、それでいて人間心理の裏側の怖さまでが表現されている。また、シェークスピアの「オセロ」を読んでいなくても特に問題になるようなことはありません。一度ご覧になることをお薦めします。(原題が一文字ということから興味を持った筆者としたら、良い作品に出会ったということになりました。)