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2008年10月14日

「丹下左膳」(その8)

今回からは、シリーズとはならずに単発作品として製作された作品についてです。今回は松竹が製作した作品についてです。2本の作品があり、タイトルは全く同じなので、主演者と製作年も一緒に記して区別することにします。

阪東妻三郎主演「丹下左膳」(1952年)
作品データを記しておくと、1952年の松竹京都の作品で、時間は分、白黒作品である。原作は林不忘、監督は松田定次、脚本は菊島隆三と成沢昌茂の2人、撮影は川崎新太郎、音楽は深井史郎である。そして出演は、阪東妻三郎、淡島千景、かつら五郎、三井弘次、高田浩吉、加賀邦男、富本民平、海江田譲二、寺島貢、喜多川千鶴、村田知英子、大友柳太朗、夏川大二郎、菅井一郎、藤間林太郎、戸上城太郎、たちである。

本作は「こけ猿の壺」を映画化したものである。8代将軍・吉宗は日光東照宮の改修工事を伊賀の柳生藩に命じたが、柳生家ではその費用の捻出に困窮する。そんな中、一風宗匠が柳生家には万一の為に莫大な金が埋蔵してあって、その在処は「こけ猿の茶壷」に地図が収められていると言う。が、そのこけ猿の壺は、柳生家の息子・源三郎が、江戸に道場を持つ司馬一刀斎の許へ持ってしっぱつしていた。が、道場の師範代・峰丹波は源三郎を道場に入れまいとし、コソ泥の与吉に盗ませていた。で、柳生家から追われる与吉はちょび安という小僧に渡していて、ひょんなことから丹下左膳の元に転がり込んでいた。それからこけ猿の壺の争奪戦に巻き込まれていく左膳は...

本作は、戦後初の「丹下左膳」の映画作品である。本作の後、大映、日活、東映がシリーズ作品として映画化を行うことになるのだが、改めて「丹下左膳」の人気の高さを知らしめることになった作品である。物語はお馴染みの物であり、これということは無いのだが、「丹下左膳」の映画史を語る上では一つのポイントになっている作品である。

丹波哲郎主演「丹下左膳」(1963年)
作品データを記しておくと、1963年の松竹作品で、時間は95分、原作は林不忘、監督は内川清一郎、脚本は内川清一郎と野口泰彦の2人、撮影は太田喜晴、美術は大角純一、音楽は大森盛太郎である。そして出演は、丹波哲郎、鰐淵晴子、瑳峨三智子、北竜二、園井啓介、東野英治郎、三島雅夫、河野秋武、佐々木孝丸、名和宏、五味勝雄、宝みつ子、大泉滉、田村高広、笠智衆、たちである。

物語は「こけ猿の壺」と「乾雲坤竜の巻」を足して2で割ったようなものである。日光東照宮の改修工事が柳生藩に下されるが、その費用の捻出に困る。で、100歳を超える長老の一風宗匠に相談すると、柳生家には千万両の財宝があって、その在処は伝家の名刀・乾雲丸に記されていると言う。が、乾雲丸は司馬卜伝の娘・萩乃の婚姻の引出物として江戸に送っていた。で、源之丞が江戸へ向い、刀を奪い返そうとして、司馬と柳生の家の間で試合を行うことになる。源之丞は勝って乾雲丸を手にしたが、その時、丹下左膳が現れ、源之丞に勝負を挑む。で、左膳が勝って乾雲丸を奪い去って行った。源之丞は刀の秘密を卜伝に語るが、それを盗み聞きしていたお蓮と師範代・峰丹波は策略を練り、道場を乗取ろうとして卜伝を毒殺した。が、乾雲丸には対となる小刀・坤竜丸があり、二刀が揃わないと秘密は分からないと言うことが判明して...

本作の丹下左膳は片腕ではなくて両手であるというのが特徴である。また「こけ猿の壺」の物語がベースであるが、それを乾雲・坤竜の刀に置き換えており、しかも丹下左膳の正体がとんでもないものになっているということで、姿も「丹下左膳」とは言えない上に、物語も「丹下左膳」とは言いづらく、「丹下左膳・風」というような作品になっている。アレンジをすることは悪くないが、原作小説を足し合わせたようなストーリーでは面白さが半減している。アレンジをするのなら、もっと大胆に行わないと... 脚色のミスというのが全てという作品でした。


↓阪東妻三郎主演作(ビデオ)

丹下左膳

  • 出版社/メーカー: 松竹ホームビデオ
  • メディア: VHS
 
↓参考まで

資料が語る丹下左膳の映画史―大河内伝次郎から豊川悦司まで

資料が語る丹下左膳の映画史―大河内伝次郎から豊川悦司まで

  • 作者: 田中 照禾
  • 出版社/メーカー: 川喜多コーポレーション
  • 発売日: 2004/12
  • メディア: 単行本
↓原作小説

丹下左膳(一) 乾雲坤竜の巻 (光文社文庫)

丹下左膳(一) 乾雲坤竜の巻 (光文社文庫)

  • 作者: 林 不忘
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2004/05/13
  • メディア: 文庫


丹下左膳〈2〉こけ猿の巻 (光文社時代小説文庫)

丹下左膳〈2〉こけ猿の巻 (光文社時代小説文庫)

  • 作者: 林 不忘
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2004/06
  • メディア: 文庫


丹下左膳〈3〉 (光文社時代小説文庫)

丹下左膳〈3〉 (光文社時代小説文庫)

  • 作者: 林 不忘
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2004/07
  • メディア: 文庫
posted by MEICHIKU at 18:00| 京都 雨| Comment(1) | TrackBack(0) | 映画(邦画) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
動画 丹下左膳 を鑑賞しました。もう少し 見たいですね。懐かしいですね
Posted by 村石太マン流 at 2010年06月14日 20:55
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