表題のアルバムは1965年に発表された彼らのデビュー・アルバムである。(但し、アメリカでは同年2月、本国イギリスでは同年6月のリリースであり、かつ、収録曲も大きく異なっていて、同一曲は12曲中2曲しかない。)BEATLESに続けとばかりに、イギリスのグループが次々とアメリカに進出して大ヒットを記録した'60's中期(所謂、(第1次)ブリティッシュ・インヴェージョン。)に、BEATLESの後を追ってアメリカに進出したグループの一つが彼らである。で、アメリカではアイドル的な人気を得ていくつかのヒット曲を放っている。(本国イギリスでは、今ひとつ人気が出ておらず、ヒットの規模はアメリカのような華やかさに欠けることになった。)本アルバムは、そんな彼らの記念すべき最初のアルバムである。但し、アメリカでのリリースが先行し、更に本国UK盤は収録曲の殆どが異なるということになった。(よって、実際はUK盤とUS盤は別アルバムと言っても良い。→UK盤はセルフタイトルとして、US盤は「INTRODUCING HERMAN'S HERMITS」としている資料もあります。
収録曲は、本国UK盤以下の全12曲である。『
Heartbeat』『
Travellin' Light』『
I'll Never Dance Again』『
Walkin' With My Angel』『
Dream On』『
I Wonder』『For Your Love』『
Don't Try To Hurt Me』『
Tell Me Baby』『
I'm Henery VIII, I Am』『
The End Of The World』『
Mrs. Brown, You've Got A Lovely Daughter』。
一方、US盤の収録曲は以下の全12曲である。『
I'm Into Something Good』『
Mrs. Brown, You've Got A Lovely Daughter』『
Kansas City Loving』『
I Wonder』『
Sea Cruise』『
Walking With My Angel』『
Show Me Girl』『
I Understand (Just How You Feel)』『
Mother-In-Law』『
Your Hand In Mine』『
I Know Why』『
Thinking Of You』。
この中からシングル・カットされたのは、US盤から3曲、UK盤から2曲(但し、1曲はUK/US盤の双方に収録されている曲である。)である。US盤からのシングル曲は、『I'm Into Something Good』(USで最高位13位、UKで1位を記録したのをはじめ、ニュージーランドで8位、ノルウェーで6位、スウェーデンで5位を記録している。)、『Show Me Girl』(イギリスで最高位19位を記録)、そしてUK/US盤の双方に収録されている『Mrs. Brown, You've Got A Lovely Daughter』(USで1位を獲得して、1965年のBillboard年間シングル・チャートでは19位にランクインした。また、スウェーデンで4位、ニュージーランドで10位を記録している。)である。一方、UK盤で見ると、前出の『Mrs. Brown, You've Got A Lovely Daughter』と『I'm Henery VIII, I Am』(アメリカで1位を獲得して、1965年のBillboard年間シングル・チャートでは47位にランクインした。また、スウェーデンで3位、ニュージーランドで6位を記録している。)
お薦め曲は、UK/US盤に共通しているヒット・シングルの『Mrs. Brown, You've Got A Lovely Daughter』と、UK/US盤それぞれのシングル曲をピックアップすることに留めておく。(それぞれの盤からとなると、実質的には2枚のアルバムからチョイスすることになってしまい、完全に別アルバムという扱いの方が正しいとなってしまうでしょうから...)
彼らの活躍した期間は決して長くはなく、本アルバムがリリースされた1965年にいきなりのピークを迎え、1968年初頭までまでは何とか人気を保ったが、それ以後は一気に坂を下っていくことになった。現在でも「アイドル(の人気)は3年」と言われることが多いが、'60'sでもその言葉が当てはまることは、ある意味興味深い所である。(特に、ピーク時の人気のすさまじさも、昔も今も変わらないところも同じである。)
いずれにしても、'60's後半の(第1次)ブリティッシュ・インヴェージョンの波に乗ってアメリカで人気を得たUK発のグループの一つということで、'80'sの第2次ブリティッシュ・インヴェージョンの時と比べて聴いてみるのも面白いところである。また、'60'sアイドルを知るために聴いてみるのも宜しいかと...
↓本作(US盤)と'66年の4thアルバム(USのみのリリース)との2 in 1 です。

posted by MEICHIKU at 06:00| 京都 ☁|
Comment(0)
|
TrackBack(0)
|
音楽(洋楽)
|

|