今回は前回に続いて同じテーマということにして、「
神社での出会い・PART 2」として記します。取り上げる物語は、「ケータイ刑事」からは「
零・2nd.1話」、「007」からは前回と同じ「007は二度死ぬ」です。
「
ケータイ刑事」:「
零・2nd.1話」。「帰ってきた男! 〜福笑いキング殺人事件」という物語である。「
愛」「
舞」「
泪・1st.」で銭形姉妹の相棒だった五代さんが戻ってきた物語である。また、この物語の本放送は2005/1/2ということで、新年最初の物語でもあったということで、お年玉と言うことの出来るサービス・カットもあった物語でもありました。
新年を迎えたと言うことで、振り袖姿で神社に初詣に行った
零ちゃん。賽銭を出してお願いをした
零ちゃんはおみくじを引こうとした。そんな時に女性の悲鳴が届いたということで、駆けつけた
零ちゃん。すると、そこには女性が道に倒れていた。
零ちゃんが声を掛けると、女性は「バッグをひったくられて...」と言った。「どっちに行きましたか?」と
零ちゃんが尋ねると、女性は「あっちに」と言って指を差した。その方向を見ると、
零ちゃんは袴姿の男が走って行くのを目にした。
零ちゃんはその男が犯人だと判断すると、その男を追いかけていった。途中で「待て!!、待ちなさい」と言う
零ちゃんだったが、直ぐに「待て、と言って待つ犯人はいないか」と一人ツッコミをした
零ちゃんだった。(が、これは実際にそうですね...)
が、走って行く袴姿の男は突然立ち止まり、
零ちゃんの方を振り返った。そして「一度決めたら、男は立ち止まらない。それが男だ、熱血だ!」と言った。その男は逃げて行ったのではなく、凧揚げをしていたのであった。で、
零ちゃんに気づくと、「何の用?」と問うた。
零ちゃんは男が(ひったくった)バッグを持っていないということもあって「いえ...」としか言えなかった。そうしていると袴姿の男は
零ちゃんに「その格好は七五三?」と尋ねた。これに
零ちゃんは、口を膨らせると「初詣です」と言い返した
零ちゃん。が、ただでは転ばず、「い〜っ」としてからその場を去っていった。
尚、この時はお互いに名乗っていないので、相手が誰だったのかということは分かっていないのだが、これが
零ちゃんと五代さんとのファースト・コンタクトであり、翌日、またまた出会った2人は「昨日の凧」/「昨日の七五三」と言い合った。その場が事件現場であったということから、その後は「ケータイ刑事」の1話でのお約束である一連のやりとりへに突入するのであった。
「
007」:「
007は二度死ぬ」。1967年のシリーズ第5作。日本を舞台にした物語であり、初代ボンドが日本でのシリーズから降板すると言うことを発表したこともあって、日本では製作時から異常に盛り上がった作品である。また、当初は若林映子と浜美枝の演じる役が逆であったというのも有名な話である。
香港で死亡したことにして日本に入ったボンドは、日本の秘密情報部のボス・タイガー田中たちと共に調査を進めていて、怪しい場所を掴んだ。そこは小さな漁村であり、潜入して調査を行う作戦として、ボンドは日本人として妻をめとり、漁師として村に入ることになった。ボンドはそれまで行動を共にしていたアキと(偽装)夫婦になると思い、アキもその気であった。しかしタイガー田中はそれを否定し、ボンドの相手は当日までのお楽しみということにした。(アキたちは、ボンドを日本人にするための変装を手伝った。)
しかし、その夜、ボンドを暗殺しようとした刺客は、天井からボンドの口に糸を垂らして毒を飲ませようとしたが、一緒に寝ていたアキの口に毒が入り、アキは死んでしまった。(ボンドの暗殺に失敗し、天井裏にいることをボンドに気づかれて始末された。)
失意のボンドだったが、任務と切替えて、(偽装の)結婚式の日となる。式はある神社で行われ、しかも合同結婚式であって、ボンドたち以外にも式を挙げるカップルがいた。羽織袴を着たボンドは妻となる女性がどんな女性なのかということが気になり、期待していた。
タイガー田中の隣で花嫁が来るのを待っているボンド。他のカップルの花嫁が介添人に連れられて、石段を登ってくるが、ボンドの好みのタイプの女性ではなく、如何にも日本人の女性という女性がやってくる。が、それはボンドの相手ではなかった。続いてやってきた花嫁も同様であり、ボンドは期待を裏切られた気になってしまう。そして次の花嫁がやってきた。その女性はボンド好みだったが、ボンドは他の相手の花嫁だろうという諦めの気持ちになっていた。
が、その花嫁(キッシー鈴木、この作品のボンドガールである。)はボンドの所にやってきた。で、ボンドの落ち込んでいた気持ちは一気に元に戻って鼻の下が伸びたのだった。
式が順調に終了すると、ボンドとキッシーは(任務のために)新婚夫婦として村に入った。尚、キッシー鈴木はその村の出身ということで、村には多くの知人がいた。(外見上、日本人になっている)ボンドを「夫です」と紹介し、村での新生活を始める夫婦は用意された家を足場として、漁師夫婦を装って、調査を始めた。
タイガー田中にとったら、部下であるキッシー鈴木を、任務のためにボンドと形の上だけの夫婦にしたが、ボンドにとっては、神社での結婚式当日の、しかも花嫁入場の所で出会ったことになった。任務のための形式上の夫婦となるためとはいうものの、そんなギリギリまで相手を知らないというのは流石に…、と思ってしまいます。が、ボンドもキッシーも、互いに気に入ったというだけに...
尚、I・フレミングの原作では、本作の原作小説「007号は二度死ぬ」は「女王陛下の007号」(映画タイトルは「女王陛下の007」)の次の作品であり、新妻・テレサを殺されて傷心のボンドを、欧州から一時的に話すと言うことで日本に派遣されたということになっている。また、任務終了後、キッシー鈴木はボンドの子供を身籠もっている。しかし映画「007」シリーズでは順番が逆になり、「007は二度死ぬ」の方が先に来て、そこで偽装結婚をしているが、キッシーはボンドの子供を身籠もっていない。そして、本作の次が「女王陛下の007」であり、そこでボンドはテレサと結婚した。(新婚数時間後にテレサはブロフェルドによって殺されてしまったと言う所は同じである。)
共通点は、
神社での出会いが物語でコンビを組むことになるパートナーであったということと、
この時の出会いが2人のファースト・コンタクトであるということ、そして
この時の衣装が共に和服であり、
男(「ケータイ刑事」では五代さん、「007」ではボンド)
は袴姿であり、
女(「ケータイ刑事」では
零ちゃん、「007」ではキッシー鈴木(ボンドガール))
も着物姿であるということ、
主人公(銭形/ボンド)
は相手の顔を見て心に強く刻んでいる(「ケータイ刑事」では「馬面」という特徴を覚えていて、「007」では即座に気に入っていた。)ということである。また、この時、
それぞれが行っていたことは純日本風のこと(「ケータイ刑事」では初詣/凧揚げ、「007」では和式の結婚式)
であったということも共通点と言うことが出来る。
一方、相違点としては、「ケータイ刑事」では神社の前での出会いであるが、その場所は境内の外であったが、「007」では境内であったということ、「ケータイ刑事」では主人公・銭形が追いかけていって、それから出会っているが、「007」では主人公・ボンドはじっとして待っていた所に相手がやってきて出会っている、ということ、「ケータイ刑事」では出会いの場では2人だけだったが、「007」ではタイガー田中がボンドの側にいたということで、2人だけでの出会いではなかったということが挙げられる。
次回は「ケータイ刑事」から「
銭形結」の物語を取り上げることにして、再び「銭形結」絡みのネタについて記します。何が登場するのかはお楽しみに。