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銭形雷」の第7話「美しいものが勝つ! 〜銭形雷VS黒いバラ」の「裏ネタ編・増補」の2回目となる今回は、黒いばらの所で出てきたものから「
標本」についてと「
剥製」について、そしてこの標本について語っていたということから「
蝶」について、これは着ぐるみだったが一応は剥製ということで「
熊」について記します。尚、「剥製」については「
泪・21話(2nd.8話)[裏ネタ編]PART 12」で、「熊」については「
泪・6話[裏ネタ編]PART 6」で記したものをベースにして加筆しました。
尚、BS-iの本放送時に記した記事は2006/2/13付けで、MBSでの放送時に記した[改訂版]は「
ここをクリック」(ここにはBS-i本放送時に記した記事へのリンクもあります。)してご覧下さい。
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標本」:大別すると2つの意味がある。1つは研究用、もしくは教育用として、観察できるようにした教材の類の総称であり、もう1つは統計学に於いて、推測統計値を求めるために集団から抜き出した個々の要素のことを指して言う。(いずれにしても、学問関係の言葉と言うことになる。)が、一般的には前者の意味での使用が多い。
前者の「標本」の代表的な者というと、生物学、医学、鉱物学などで使用されているものが広く知られていて、研究用、または教育用の教材として利用されるものである。で、特定の個体、または個体の一部を適当な処理を行って保存して、観察できるようにしたものである。(一部はそのものではなく、複製品という場合もある。)学校では理科室(理科準備室を含む)にある人体骨格の模型(これは複製品の代表的なものですね。)や、鉱物の標本は、「標本」の代表格となっていて、誰でも小学校や中学校で目にしたことがあるでしょうね。また、大学病院や医学部であれば、研究対象となった病気に感染した臓器などをホルマリン漬け(=防腐処理)にして保存したものがあって、やはり医学生の教育のため、またその病気に関する研究対象として利用されている。
また、昆虫採集を行い、その標本を作ることをしたり、化石の標本を目にしたことは、小学生の頃に経験したことがある人も多いことでしょうね。
これらの「標本」は英語では「Specimen」と言うが、「見本」と言う意味から「Example」と言う場合もある。(統計学での「標本」は英語では「Sample」と言い、そのままカタカナ表記した「サンプル」と言う場合もある。)
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剥製」:動物標本(生物標本)の一つであって、死んだ動物の生きていたときに近い容姿に保存するために作られるものである。装飾や展示用という鑑賞用のものと、学術教育/研究用のものとがある。英語では「Stuffed Specimen」、または「Taxidermy」と言い、ドイツ語とフランス語では「Taxidermie」(但し、発音は異なる)、スペイン語では「Taxidermia」という。
作り方は、死亡した動物の体から、骨格、筋肉、内蔵などを取り除き、表面の皮とそれに近い部分だけを残し、それを明礬(みょうばん)などで処理をして、その中に芯となるもの(綿など)を詰めて作られる。(縫いぐるみは布製の皮に詰め物をしたものであるが、防腐処理を行った動物の皮(表皮)を使った縫いぐるみと言うことも出来る。(少し乱暴な言い方ですが...))
様々な動物の剥製が作られるが、基本的には動物であれば何でも対象になる。また、陸上動物だけでなく、水中動物である魚類、甲殻類をはじめとする様々な海中生物、または鳥類などの剥製も広く作られる。(博物館に行けば、何かしらの剥製があるものですね。)
また、動物園などでは、人気の高かった動物や、何かの記念となったような動物が死亡した場合、それを剥製にして展示するということもよく行われている。(これは展示用の剥製ということになる。記念動物ということでは、世界初のクローン羊のドリーの剥製が有名である。)
一方、学術研究用の剥製ということでは、博物館などに展示されているものや、動物の特徴などを研究する際に利用されることが多い。また、教育用として使用される標本の一部では剥製が使われることもある。(剥製ではなく、形を模して作られた複製品も多いですね...)
また、昆虫採集を行って、それを標本にする場合、一部の昆虫では、体内の臓器などを取り除くことなく防腐処理を行っただけで標本とすること(中に詰め物をを入れない場合)もあるが、これは昆虫の剥製を作っていると言うことにもなる。
尚、学術研究や教育用の剥製は、基本的にその動物の姿そのままの剥製として加工されるが、展示用の剥製であれば、全く別の種類である複数の動物を継ぎ足して、実在しない動物の剥製として作られる場合がある。(例えば、人魚の剥製、雪男の剥製などはこの類である。)学術研究ということではこういうものは相手にされないが、客寄せ用の展示物ということではこういうものは時々利用されている。が、使われる動物にしたら、ちょっと可哀想ですね...
また、この物語では人間の剥製が作られていたが、人間も「動物」であるため、動物と同様の処理を行えば、人間の剥製を作ることは出来る。が、人間の死体を剥製に加工すると、死体損壊罪が適用されることになり、犯罪行為となる。→この物語の黒いばらの罪はそれだけ多くの罪を重ねていることになり、「ケータイ刑事」に登場した犯人の中ではかなりの犯罪者ということになります。(アメリカだったら、有罪となったら懲役100年ぐらいは軽く超えそうですね。)
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蝶」:昆虫綱チョウ目に属する昆虫から「蛾」を除く昆虫の総称である。(アゲハチョウ上科、セセリチョウ上科、シャクガモドキ上科に属する昆虫の総称でもある。)→日本語では「蝶」と「蛾」は分けられているが、明確な違いというものはなく、親戚のようなものである。(言語によっては「蝶」と「蛾」が同じ名称となっている言葉もある。)
羽には美しい色彩をした模様があるのが特徴であり、それらは鱗毛とよばれる毛と鱗粉と呼ばれる鱗状のものから出来ている。結構派手な色をしていたり、派手な柄をしている種類もいる。そのため、昆虫採集では万国共通の人気の昆虫となっていて、人気が高い。(また、比較的捕獲しやすいということもその理由の一つである。)
南極大陸と北極圏の島以外の世界各地に分布していて、様々な種類がいる。また、世界の広い範囲に分布している種もいれば、局所的に独自の進化を遂げた種もいる。世界中では1万3000種類以上の蝶がいるとされているが、「蛾」との区別が曖昧な所もあるため、実際の数ははっきりとしていない。(「蛾」は世界中では10万種類とも20万種類ともされていて、「蝶」よりも遙かに多い種類がある。)ちなみに日本に生息している蝶は約250種類とされている。(蛾は約5000種類がいるとされている。)
芋虫状の幼虫から蛹を経て成虫となる完全変態動物であり、食性も幼虫と成虫では異なっている。幼虫は草食であるが、成虫はストロー状の口吻と呼ばれる口で花の蜜、果汁、樹液などの水分を吸うことになる。
また、昼行性であるのが殆どであって、この点では夜行性が多い「蛾」とは異なっている。(とは言っても、昼行性の「蛾」もいるので、やはりこれでは区別出来ない。)更に、成虫は綺麗な柄をしていることから人気があるが、幼虫は草食であり、野菜栽培では害虫とされている。(「蛾」も同様である。)
英語では「Butterfly」、ドイツ語では「Schmetterlinge」、フランス語では「Papillon」、イタリア語では「Farfalla」と言う。
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熊」:食肉目(ネコ目)クマ科の哺乳類の総称である。アジア、北米、南米、北極圏などに分布している。(主に7つの種類に大別出来る。)身体は大きく、体は太いが、四肢は比較的短い。筋肉質であって力が強いという特徴がある。ネコ目の動物の中では大型の動物であって、小さくものでも1m以上に育ち、大きいものは3m程度にまで成長する。雑食性であり、植物質(木の実を含む)を主に食するが、時には人畜を襲う場合もあって、肉も食する。体色は黒に近いものが多く、黒から濃い褐色であるが、北極圏にいるホッキョクグマは白色である。
聴覚と嗅覚に優れているが、視力はホッキョクグマ以外はやや弱い。また、顎が発達しているのと、鉤爪を有している。この鉤爪を利用して樹木に登ったり、穴掘りをするのに利用する。また、敵を襲う場合にはこれで相手を引っ掻く。
冬眠をする動物としても有名であり、冬になると洞穴に潜み、子どもを産むのはこの時期である。(妊娠期間は7〜8ヶ月であり、一度に1〜4頭(平均すると2頭)を産む。)また、そのまま冬眠に入ることもある。尚、熊というと「冬眠」というイメージがあるが、実際に冬眠状態に入るものもいるが、洞穴に籠もっているだけで、冬眠状態に入らないものもいる。尚、俳句の世界に於いては、冬眠することがイメージとして定着していることもあって、「熊」「ヒグマ」などは全て冬の季語である。
中国をはじめ、一部の地域では食用とされているが、有名なのは中国での「熊掌」がある。これは文字通り熊の掌であり、高級食材とされている。また、漢方の「熊胆(ゆうたん)」は文字通り熊の胆嚢を原料とした薬であり、強壮剤、腹痛薬、解熱薬として利用されている。
熊の中で最も有名なのは「テディベア」であろう。これは第26代アメリカ大統領のセオドア・ルーズベルトの愛称から名付けられたものであり、熊狩りに出かけたルーズベルトが、予め捕らえてあった子熊を撃つように言われるが、その仔熊を見逃したという話が元になり、縫いぐるみとして生まれたものである。また、この「テディベア」は後にくまのプーさんのモデルとなり、プーさんも世界的に知られているキャラクターとなっている。
尚、英語では「Bear」、ドイツ語では「Bär」、フランス語では「Ursidae」、イタリア語では「Ursidae」、スペイン語では「Ursidos」と言う。
小動物の剥製の作り方
- 作者: 本田 晋
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楽しい昆虫採集
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蛾蝶記
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