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銭形雷」の第6話「お帰りなさいませ、ご主人様! 〜萌え系メイドカフェ殺人事件」の「裏ネタ編・増補」の5回目となる今回は、この物語での人体発火のトリックで使われて、事件上のポイントとなった事柄から、「
ニンニク臭」について、「
ポリエステル」について、「
可燃物」について、「
引火点」について、「
発火点」について記します。
尚、BS-iの本放送時に記した記事は2006/2/6付けで、MBSでの放送時に記した[改訂版]は「
ここをクリック」(ここにはBS-i本放送時に記した記事へのリンクもあります。)してご覧下さい。
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ニンニク臭」:以前はユリ科、現在はネギ科に分類されている多年草のニンニクが持っている独特の臭いのことである。これはニンニクに含まれているアリインという成分(これ単独であれば無臭である。)が含まれていて、これが切断されることで、アリナーゼという酵素によって触れあうことになり、アリインがアリシンという物質に変化する。で、そのアリシンの放つ臭いがあの独特の臭いの正体である。尚、アリシンは自生している状態のニンニクには含まれていない。
この臭いを消すには、アリナーゼという酵素を壊してしまえば良く、調理する前(カットする前)にニンニクを加熱処理すると、アリナーゼは壊れるため、ニンニクをカットしてもアリインがアリシンに変化しなくなるため、臭いがしなくなる。→例えば、電子レンジで加熱するという方法が効率的である。
しかし、アリシンには強い抗菌作用と抗黴作用があるため、この効果を狙って色々と利用されることになる。
この物語では、ニンニクの臭いではなく、それに近いものの臭いであり、リンノ臭いガ登場したガ、リンはニンニクの臭いに近い臭いをしていることで知られている。(ニンニク臭の成分であるアリシンがある訳ではない。)が、それに近い臭いがするということ、ニンニクは食材として広く用いられているものであるため、近い臭いということでニンニク臭と呼ばれるようになった。
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ポリエステル」:英語では「Polyester」。多価アルコールと多価カルボン酸との重縮合により生じる高分子化合物の総称のことである。特にテレフタル酸とエチレングリコールから成るポリエチレンテレフタレート(=PET→ペットボトルのあのペットである。)のことを指して言う場合もある。
そのポリエチレンテレフタレートは、1953年にアメリカのデュポン社が特許を取得して工業化した。それ以降、生産量が右肩上がりで増大し、日本でも1958年から生産されるようになった。基本的に石油から製造されている。用途としては、繊維、フィルム、容器の材料となっていて、代表的なものはペットポトルがある。また、化学繊維として衣料の繊維としての利用も多い。
尚、1981年のアメリカ映画に「ポリエステル」(原題:POLYESTER)という作品があるが、この映画は劇場公開時、配られたカードに臭いが出る仕掛けがされていて、映画を見ながら劇中の臭いを感じることが出来る作品ということで知られている作品である。(LDソフトとしてリリースされた時も同様であった。)→カルト的人気のあるコメディ映画である。
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可燃物」:文字通り、「可燃性」の物質のことである。英語では「Combustible Matter」と言う。また、それが純物質の場合は「可燃性物質」と言う。これは、通常環境に於いて、その物質に着火した場合、燃焼が継続するものである。
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引火点」:英語では「Flash Point」と言う。可燃性の液体物質や固体物質から発生する可燃性蒸気に小火炎を近づけた時、瞬間的に発火することが起こる最低温度のことである。
これは火が付く最低の温度であって、燃焼を続けるにはこれよりも少し高い温度(=燃焼点)になる必要がある。また温度では、可燃性物質が除去された場合には可燃性蒸気の供給が無くなるため、火は消えるのが一般的である。
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発火点」:空気中で、炎の存在が無くてもその物質が自然に発火して燃焼を始める最低の温度のことである。(火を点けることをしなくても自然に火が出てしまう。)
一般に、物質の引火点は発火点よりも低い温度である。可燃物の場合は、炎を近づけると引火点を超えることによって発火し、それによって発生する燃焼熱が更に温度を上げるため、発火点を超えることになり、物質の燃焼が継続することになる。また、可燃物は、燃焼によって発生する熱量(=燃焼熱)が大きいため、そのまま発火点以上の温度を保つことになるため、燃焼が継続する。
また、劇中では
雷ちゃんがガソリンを例として引火点と発火点を説明していたが、いくつかの物質の引火点と発火点を記しておく。
引火点について、ジエチルエーテルは-45゜C、キシレンは27゜C、エチルエーテルは-41〜-20゜C、灯油は40〜60゜C、ガソリンは-43゜C以下、軽油は50〜70゜C、重油は60〜100゜C、二硫化炭素は-30゜C、メチルアルコールは11゜C、機械油は106〜270゜C、エチルアルコールは13゜Cなど。
一方、発火点としては、水素が500゜C、メタンが537゜C、エタンは520〜630゜C、木材は250〜260゜C、ディーゼル燃料油は225゜C、黄リンは30゜C、赤リンは260゜C、鉄粉は315〜320゜C、テフロンは492゜C、ナイロンは500゜C、ポリスチレンは282゜C、新聞紙は292゜C、などである。
身の回りにある日用品でも様々な物質があるが、日用品のたいていの物質の発火点は200〜500゜C程度である。そこまで温度が上昇することはないであろうが、発火点を超えると自然発火してしまうため、保管にはそれなりの注意が必要である。→普通の使い方では問題ないが、例えば、ストーブ、ガスコンロなどの近くに置いてしまうと、引火点や発火点に近づく可能性があり得る。
↓参考まで
↓引火点や発火点に付いてはこういうものをご覧下さい。
posted by MEICHIKU at 00:00| 京都 ☁|
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ケータイ刑事
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