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銭形雷」の第6話「お帰りなさいませ、ご主人様! 〜萌え系メイドカフェ殺人事件」の「裏ネタ編・増補」の4回目となる今回は、
雷ちゃんはこれの影にあることを見逃さなかった「
火傷」についてと「
絆創膏」について、これが起こった?ということで「
人体自然発火現象(スポンティニアス・コンバッション)」についてと、岡野さんはこう言った「
スポコン(スポ根)」について記します。尚、「絆創膏」については「
泪・2話[裏ネタ編]PART 8」で記したものをベースにして加筆しました。
尚、BS-iの本放送時に記した記事は2006/2/6付けで、MBSでの放送時に記した[改訂版]は「
ここをクリック」(ここにはBS-i本放送時に記した記事へのリンクもあります。)してご覧下さい。
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火傷」:高熱によって皮膚組織が損傷を受けること、またはそのようにして出来た傷のことをいう。医学の世界では「熱傷」と呼んでいる。
程度によっては跡が残らないで完全に治るものもあるが、発赤したり、水疱が出来るというものから、潰瘍が出来る場合、凝固壊死、炭化という症状がある。また、重度の場合は死に至る。
日常生活の中では、熱湯や天ぷら油を浴びてしまうことや(熱せられた)鍋、ストーブ、アイロンなどを触ってしまうことで受傷することがよくあるだけに、注意が必要でもある。また、高温とは言うことが出来ないもの(例えば湯たんぽ、使い捨てカイロ、熱めの浴槽の湯、ホットカーペットなど)でも長時間接していると火傷(この場合は「低温熱傷(低温火傷)」と言う)する場合もある。また、日焼けもある種の火傷であり、過度の日焼けは熱傷と同じ症状になる。
受傷した場合は、兎に角即座に冷やすことである。(水で冷やすのが一番。)水道水(流水)をかけて冷やすだけでなく、濡れタオルで冷やすだけでも有効である。
また、天ぷら油がはねた場合のような温度の高い局所的な場合は、水をかけて冷やし、塩を患部に載せるということが高価がある治療法として知られている。(患部は常に濡らして沖子とと、塩はたっぷりと載せることがポイントである。)これは「塩の消炎効果」を利用したもであって、医学的にも効果的であると証明されている。(塩はミネラル成分を含んだ天然塩の方がより効果的である。)しかし、これらはあくまでも応急処置であり、速やかに医者に診て貰うのがベストである。小さな火傷であっても、跡が残るというのは珍しくなく、意外と重症だったということはよくあるためでもありますから...
尚、英語では「Burn」、ドイツ語では「Brandwunde」、フランス語では「Brûlure」、イタリア語では「Bruciatura」、スペイン語では「Quemadura」と言う。
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絆創膏」:傷口や患部に貼ることで、細菌の侵入や感染を防いだり、患部を保護するために使用される医薬品の一つであり、「絆創膏包帯」という言い方もあり、小さい包帯の一種でもある。(包帯との違いは、これには接着剤が付いているため、包帯のようにぐるぐると巻かなくても良いことである。)
基材はゴムや樹脂であり、それに接着剤が塗布されている。また、患部に当てる布が基材の中央部分に設けられていて、一体になっている。その布の部分を患部(傷口)に当て、皮膚に直接貼り付けて使用する。比較的小さい傷に対して用いるものであるが、捻挫部位の固定のためや、包帯やガーゼの固定のための補助具として使用されることもある。(接着テープとしても使われていると言うことである。)
歴史は結構古く、18世紀に現在の原形になるものが登場している。膏薬が接着剤の起源とされているが、ドイツで松脂と蜜蝋を使った松脂硬膏が発明され、これに各種膏薬が開発されて、これが「絆創膏」の原形として完成したものとなった。その後、19世紀になると、ゴム工業の発展によって、ゴムと樹脂と蜜蝋を使って、膏薬の粘着性を高めたものが生まれ、これによって多少の伸び縮みのするものが登場して使い勝手が向上した。20世紀になると、1921年にアメリカで「バンドエイド」が発売されることになるが、これが接着テープと患部に当てるガーゼ(布)が一体になったものの最初である。その後は、これが改良されていって、様々な大きさや、患部の部位に適した形のものが次々と登場した。
また、最近では「水絆創膏」または「液体絆創膏」と呼ばれる者が登場していて、深くない傷の患部に塗布して乾燥させると、それが皮膜となって細菌が傷口に入るのを防ぐというものが登場している。これは皮膜が患部に密着し、水にも強いということで注目されている。(但し、あくまでも擦り傷などの浅い傷に対してであって、深い傷には治癒に関して悪影響を与えることが報告されているため、何でもかんでもという訳にはいかないという注意が必要である。
尚、絆創膏のことを一般に「バンドエイド」と呼んでいるが、「バンドエイド」はジョンソン・アンド・ジョンソン社の登録商標である。既に一般名詞とされた国もあるが、日本ではまだ一般名詞とは判断されておらず、「登録商標」である。いずれ、「ウォークマン」「シーチキン」「ファミコン」などと同様に、一般名詞になるとは思いますが...(事実的には既に一般名詞化していると言ってもいいですし...)
また、英語では「Adhesive Piaster」または「Adhesive Tape」「Sticking Plaster」などと呼ばれ、ドイツ語では「Pflaster」、フランス語では「Pansement」、イタリア語では「Cerotto」、スペイン語では「Tirita」、韓国語では「パンチャンゴと言う。→海外旅行をした際、ちょっとした怪我をすることがあるため、絆創膏を持っていくというのは当たり前であるが、これらの単語を覚えておいた方が何かと役に立ちますよ。
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人体自然発火現象(スポンティニアス・コンバッション)」:英語では「Spontaneous Combustion」(または「Spontaneous Human Combustion」)と言うが、「ケータイ刑事」では劇場版第1作(M1)の
零ちゃんの事件の所でもこの言葉が出てきただけにお馴染みである。(M1と今回の物語は、劇場公開が最初の所ではほぼ同時ということになったが、関西では劇場公開が一月半遅れたため、この物語の方が先になりました。)また、「
泪・1st.2話」でも一瞬、これではないかということが使われていましたね。
「Spontaneous」は自発的な、自然発露の、という意味であって、「Combustion」は燃焼という意味であるため、人体自然発火ということを正しい言うとしたら「Spontaneous Human Combustion」と言うべきであるが、特に「Human」という言葉は省略して呼ばれるのが一般的になっている。但し、ミステリーの世界では自然にある物体が自然発火する場合が起こりえるため、「Human」という言葉を入れた形で呼ばれることも多い。
英単語を直訳した通りの意味であって、人間の体から突然発火する現象である。現在では科学的にあり得ないことと結論づけられている。(他の要因で発火した炎が人体を燃やすことはあり得る。→この事件はその例ということも出来ます。)
かつては、火の気のない所で、突然人体が炎に包まれる現象として恐れられたものの一つである。また、そうやって発生した炎は人体を焼き尽くすと消えてしまい、周囲に延焼するということは殆ど報告されていない。
ということで、これが起こる原因はいくつかが指摘された。まず、最も知られているのが体内に入ったアルコールが燃料となって発火するというものである。(特にタバコの火が火種になるという考えである。)が、アルコールを全く飲んでいない人でも発火が起こっていることから、現在では否定されている。また、これに近いのが、今回の物語と同様に「リン」が原因というものである。但し、今回の物語と異なるのは、人体に含まれている「リン」が発火するというものであるが、その量が余りにも少ないことと自然発火する温度にまで達することが無いことから、現在ではやはり否定されている。また、人間には発火性の遺伝子があって、それが原因とする説もあったが、発火性遺伝子というものは発見されていないため、この説も否定されている。
その他には、プラズマが原因となって発火するという説、人体がロウソクのような状態になり発火するという説、人体に帯電した電荷が放電した際に着火するという説、電磁波が発火を起こすという説、などが提唱されたが、いずれもがそれだけでは説明することが出来ない説ばかりであり、逆に人体が自然発火することはあり得ないという方が証明されることになった。
自然発火は起こらないとは言っても、燃えるための条件が整えば、人体も燃える可能性はある。→この物語では火種を与えることで燃え上がったということで、それを上手くトリックに使っていたことになる。確かに自然発火はあり得ないが、条件が整えば燃えるということはあるので、それなりに注意は必要である。
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スポコン(スポ根)」:日本の漫画やアニメの一ジャンルを指す言葉であって、「スポーツ根性もの」の作品のことである。言うまでも無く「スポーツ」と「根性」の頭の文字を取って作られた造語であるが、このジャンルの作品が多数作られて人気を得たことから「スポ根」という言葉は現在では普通名詞になっている。
内容は、スポーツの競技は異なっていても、基本的には同じであって、そのスポーツを通して、厳しい練習を根性で耐えて精進し、様々な困難を乗り越えていき、試合での勝利、またはそれ以上に勝ちのあるものを掴んでいく、ということを描いているものである。また、主人公には強力なライバルがいること、また鬼のような厳しいコーチがいること、空に主人公の身の回りに何らかの不幸(苦難)が起こるというのが定番のストーリー展開である。
特に、高度経済成長期が終わりを告げた1960年代後半から1970年代前半(則ち、昭和40年代)に大ブームを巻き起こすことになった。アニメ作品の「巨人の星」「あしたのジョー」「アタックNo.1」「タイガーマスク」「エースをねらえ!」などが、実写ドラマでは「柔道一直線」「柔道讃歌」「サインはV」「金メダルへのターン!」「美しきチャレンジャー」などがそれぞれ大ヒットをして、それらの原作漫画を含めて、これらの作品が昭和40年代のスポ根ブームを代表する作品として知られている。
その後、昭和50年代に突入すると、ブームは去ったが、それでもスポ根作品と呼ばれるものは新たな作品が生まれている。現在では、昭和40年代のブームの時に見られた苦難が現代風のものに置き換わり、貧乏ということを苦難にしたものは殆ど無くなり、それに変わって「いじめ」などが苦難になっているなどの別の苦難が登場して、それ以外は基本的に大きく変わることなく新作が生まれている。ということで、昭和40年代に確立した比較的新しいジャンルであるが、完全に市民権を得て、定着したジャンルでもある。(当然、スポーツを芸の道に置き換えたというような変形の作品もある。→1980年代に一世を風靡した大映テレビの一連のドラマは「スポ根」の変形ということも出来る作品が多かったですね。「スクールウォーズ」のような完全なスポ根ドラマもありましたけど...)
↓参考まで
熱傷看護ハンドブック
- 作者: 塚田 貞夫
- 出版社/メーカー: メディカ出版
- 発売日: 1988/10
- メディア: 単行本