今週は「名曲探偵アマデウス」が新作ではないので、
泪ちゃんにピンチヒッターを務めて貰います。尚、来週はファイルNo.069の
ドビュッシー「水に映る影」です。(その次はファイルNo.070の
ムソルグスキー「交響詩『はげ山の一夜』」です。)
「
銭形泪・裏ネタ編」も今回からは通算で31話となる2nd.18話の「君の瞳はゲッツーコース! 〜野球大会殺人事件」に突入です。この物語の「裏ネタ編」は過去にはPART 8まで記している(2009/8/31、9/2、3、5、6、9、10、12日付けで記しています。)ので、PART 9からということになります。今回はサブタイトルにある言葉から「
瞳」「
ゲッツー」「
野球」についてを、いずれも「
泪・31話(2nd.18話)[裏ネタ編]PART 1」で記したものをベースにして加筆しました。
また、この物語について過去に記した記事については「
ここをクリック」してご覧下さい。
「
瞳」:目の中にある「瞳孔」のことである。(特に略語と言うものでは無く、「瞳」という場合と「瞳孔」と言う場合の両者がある。)また漢字表記の場合、「眸」と記す場合もある。英語では「Pupil」、ドイツ語とフランス語では「Pupille」(但し、発音は異なる。)、イタリア語では「Pupilla」、スペイン語では「Pupila」と言う。
脊椎動物の目に於いて、内部に入る光の量を調整する役割をするものであり、その径を変化させることでそれを行う。黒い部分である孔の大きさの調節をするのは周囲にある「虹彩」と呼ばれる部分である。(カメラの光学系では、「虹彩」が絞りの役割をしていて、「瞳孔」は絞りによって隠されない部分ということになる。)目の中央にある黒い部分であるが、黒く見えるのは、この部分を通過した光は眼球内部に殆ど吸収されるためである。→カメラのレンズに於いて、絞りの役割と同じことを行っているものである。(カメラは機械的なものであるが、こちらは生態的なものという違いはありますけど...)
明るい場所では瞳孔が小さくなり、これを「縮瞳(しゅくどう)」と言う。逆に暗い場所では瞳孔が大きくなり、これを「散瞳(さんどう)」と言う。人間の瞳の大きさは、縮瞳では1〜2mm程度、散瞳では6〜8mm程度の大きさとなる。また、縮瞳と散瞳は、明るさだけで起こるのではなく、交感神経や副交感神経の興奮によっても起こる。(交感神経が興奮すると「散瞳」が起こり、副交感神経が興奮すると「縮瞳」が起こる。)
人間の瞳孔は円形であるが、動物によっては円形ではない瞳孔を持っているものもいる。例えば、猫は縦長の瞳孔であり、馬や羊は横長の瞳孔である。(形は異なっても、役割は同じである。)
「瞳」という言葉で思い出すのは、1942年のアメリカ映画「カサブランカ」(マイケル・カーティス監督、ハンフリー・ボガート、イングリッド・バーグマン主演。)の有名な台詞で、「Here's looking at you, kid.」というものがある。原語の英語では「瞳」という言葉に相当する単語は無いが、これの日本語訳として「君の瞳に乾杯」というのは名和訳として、あまりにも有名である。(これは映画の方も余りにも有名な作品ですね。また、劇中で使用されている名曲『As Time Goes By』も余りにも有名であって、多くのミュージシャンたちがカヴァーしていることでも誌競れているスタンダード・ナンバーですね。)
「
ゲッツー」:野球やソフトボールにおいて、一度のプレーで2つのアウトを取ることを言う。「ダブルプレー」または「併殺」とも言う。英語の「Get Two Out」という意味であるのだが、このままでは言いにくいということから、その省略形として用いられるようになった言葉であって、歴とした和製英語である。→英語では「Double Play」と言って、「Get Two(ゲッツー)」と言っても全く通じない。(ニュアンスとしては伝わるかも知れませんが...)
尚、一度に3つのアウトを取ることを「トリプルプレー(Triple Play)」「三重殺」と呼ぶが、「Get Three Out」の意味となる「ゲッスリー」と言うことは無い。(ダブルプレーはよくあるプレーであるが、トリプルプレーは滅多に起こらないプレーであるためでもある。)
尚、野球は1イニングに3つのアウトでチェンジとなるため、普通に考えると、1イニングに併殺打は1度しか起こらないのだが、プロ野球でも1イニングに2度の併殺打が記録されたことが複数回あり、大リーグでも同様に何度か記録されている。(最近では、2010/4/4の日本ハム−西武の試合で記録されている。)
「
野球」:英語では「Baseball」、1チーム9人で、2つのチームが対戦するという形で行われる団体球技であって、口語に攻撃と守備を入れ替わる形で行い、得点を競い合う球技である。現在では、アメリカを中心として、北中米やカリブ海諸国と、日本や韓国、台湾などの東アジアでは盛んであるが、欧州、アフリカ、南米ではマイナー・スポーツとされている。
19世紀中頃のアメリカで生まれた球技であるが、ルールについてはその当時から小まめな変更が行われている。ルールの改正によって次第にゲームとして整備されていくことになって、現在の形になったのは19世紀の終盤である。
現在では「公認野球規則」としてルールが定められている。尚、同時に、「ゲームの目的は勝つこと」と公認野球規則に記されている。(「勝つこと」を目的としているスポーツは意外と少ないのが現状である。→消化試合としてやる気のないようなプレーをしていると、公認野球規則に反していることになるのですが...)
で、目的が「勝つこと」としているのに、日本のプロ野球では同点の場合には規定回数までの延長戦を行って、それでも同点で終了した場合は「引き分け」となるが、これって「勝つこと」が目的という規則に完全に反していることですね...ちなみに、アメリカ・大リーグでは、決着が付くまで延長戦が延々と続けられることになっているため、「引き分け」は存在しない。(一時中断で、同点の状態でゲームが中断していることはありえるが...)
試合は、守備と攻撃を口語に行い、守備に就いているチームの投手が投げたボールを打ち、内野に設けられた一塁、二塁、三塁を経て本塁に到達すると1点が入る。守備をしている時は、攻撃側の選手が本塁に戻らないようにアウトを取るようにして、3つのアウトを取ると攻守を交代して、同じ要領で続けていく。
3つのアウトを区切りとして、それを1イニングと呼び、それが9回まで行い、得点の大小で勝敗を決める。尚、9回については、後攻めのチームがリードしている場合は、9回の後攻めの攻撃を行わずに勝負が付けられる。→点を知り合うゲームということでは合理的な考えであるが、攻撃機会の均等制の観点からは不公平という意見もある。(この考えは、サッカーやバスケットボールなどのように試合時間が定められている球技が盛んな国に広くあり、この考えが、野球が普及しない一つの要因ともされている。(野球のルールをよく分かっていないことからくるものですけど...))
9人の選手を1チームとして、2チームの対戦によってグラウンドで行う球技であるが、選手の途中交代は認められている。(途中で交代して退いた選手はその試合には再出場出来ない。)よって、最初から最後まで9人ずつで試合が行われるということは希であり、交代要員の選手が数名いる。(但し、草野球では人数が足りない場合などでは、一度退いた選手でも再出場を認めるという特別ルールが設けられる場合もある。)
ちなみに、日本のプロ野球の試合では、ベンチ入り出来る選手の数は1チーム25人となっている。高校野球では、現在では地方大会では20人、全国大会では18人となっているが、昔は14人という時代があって、15人、16人を経て18人に増えた。
野球が日本に入ったのは、明治初期の1871年(=明治4年)で、来日したアメリカ人ホーレス・ウィルソンが東京開成学校予科(高等教育機関である。)で教えたのが最初であり、これが後に全国に広まることになった。(日本では学生野球としてスタートした。)大学野球を中心として、高校野球が生まれ、その後、1936年に日本職業野球連盟が設立されて、プロ野球がスタートしている。
また、使用されるボールには「硬式」と「軟式」があるが、これは使用するボールの違いがあるだけで、ルールについては特に変わることは無い。また、プロ野球、大学、社会人、高校野球では「硬式」のボールを使用する。(軟式のボールを使う野球は「軟式野球」と言う。軟式野球は日本で生まれた球技である。)
また、ソフトボールは野球から派生した球技であり、ルールは野球に似ているが、使用するボールの違いをはじめ、野球とは異なるルールを持っていることから、野球とは独立した別の球技とされている。(野球が普及していない国では、野球は男性球技であり、ソフトボールは女性球技、則ち、同じ球技で男性と女性に分かれている球技だという誤った認識があるのもまた事実である。)→ソフトボールは「塁球」とも言って、「野球」とは完全に異なる球技であり、女性専用のスポーツではないというのは、野球が普及している国では常識です。
野球の教科書<第2版>
- 作者: 野球指導書編集委員会
- 出版社/メーカー: データ・ハウス
- 発売日: 2008/04/10
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
考える野球
- 作者: 遠藤 友彦
- 出版社/メーカー: エイチエス
- 発売日: 2007/01/16
- メディア: 単行本
公認野球規則〈2010〉
- 作者: 日本プロフェッショナル野球組織
- 出版社/メーカー: ベースボール・マガジン社
- 発売日: 2010/04/01
- メディア: 単行本