筆者のお薦め作品の時のみ、「[追加版]」として記しているMBSの放送の「
恋日・3rd.」であるが、今回の物語は、第10話「
41歳の春」です。(BS-iの本放送時に記したものは、
ここをクリックしてご覧下さい。)
この物語は「恋日」ではあるが、「恋日」らしくない所もある作品でもある。キャストが「ケータイ刑事」でお馴染みの
金剛地、
宝積、
大掘、
林、
滝本、
佐藤ということで、「
ケータイ刑事・脇役オールスター」が集結したような感じである。(「ケータイ刑事」と「恋日」を交互に製作しているだけに、こういうこともあって良いと思います。)で、この顔ぶれでコメディ・タッチでありながら、世相を上手く描き、何処に出もありそうな物語となっている。(また、この作品は、「
恋日・3rd.」の総括として、筆者は「

殊勲賞」に選んだ物語でもある。詳しくは、
ここをクリックして下さい。)
テーマ曲は「元祖天才バカボン」からED曲の

『元祖天才バカボンの春』という渋い選曲となっていて、キャストの顔ぶれから考えると、実写版の「天才バカボン」をやってもいいのでは?と思う作品である。(「恋日」なので「バカボン」は一切関係ない物語で、テーマ曲のサビの部分の歌詞をベースにして、上手くまとめた物語です。)
そして、「
恋日・3rd.」は主演が若いのが特徴であるが、今回の主演の金剛地さんは「
恋日・3rd.」全26話(前後編の物語が3本あるので、物語としたら23本になる。)の中で、
最も年齢が高い、ということになった。(タイトルにある41歳には達していないが、撮影時39歳ということで、40の大台目前でした。先日(10/28)不惑となる40の大台に乗りました。)
物語の方は、BS-iでの放送時に記したものを整理しておきます。
藤野太郎(ふじの・たろう)は妻と5歳の娘・綾香のいる41歳のうだつのあがらないごく普通のサラリーマンである。夜、自宅のベランダで『元祖天才バカボンの春』を口笛で吹きながら、

タバコを吸っている。そんな太郎は電話で同僚から浮気の口裏合わせを頼まれていた。(同僚がジローさんで「いいぞ、不倫は」と言っている。)成り行きで太郎も一緒に出張に行ったことになっていたのだった。それを渋っていた太郎だったが、綾香がベランダに出て行こうとするのに気づくと電話を切る。(妻(滝本さん)が「ダメよ、今パパ、
ホタルだから」と言うが、「お尻光ってないよ」と言う綾香が可愛い。)太郎はタバコに火を付けるが、そこにベランダの隣の仕切りから「こんばんわ」と言う声がした。声の主は隣の部屋の住人・真理(宝積さん)だった。真理は「1本いいですか、タバコ?」と太郎に頼み「どうぞ」とタバコを渡す太郎。真理はタバコに火を付けると、身の上を話し始める。(真理の夫(林さん)は一月の半分以上は出張していて、真理は「寂しいなぁ」と口にした。
タバコを終えて太郎は部屋に戻るが、妻は顔にパックをしていて、消臭スプレーを手にして太郎の元にやってくる。で、臭いを嗅ぐと消臭スプレーを太郎に吹きまくる。(→本当に平凡な家庭です。)
数日後のある休日、妻と娘は買い物に出かけていて、太郎は一人で留守番をしていて、居間で昼寝をしていた。そこに玄関チャイムが鳴って起こされる。渋々出ると、「
人生における最後の大事なお買い物、それは何でしょう。それは勿論
お墓です。」と言う墓石のセールスマン・今井(大堀さん)がやってきた。今井はお墓の訪問販売をしていて色々としゃべりまくる。これに「今、奥さんいないし...」と言う太郎。「妻に相談しないと何も買えない。うちもそうです。よーく分かります」と言い出す今井だったが、結局太郎は断って追い返した。居間に戻った太郎だったが、またもチャイムが鳴る。「しつこいなぁ」とぼやきながら玄関に出る太郎だったが、今度は隣に住む真理がやってきた、(急に態度が変わる太郎。)
で、真理の部屋に行った太郎は、天井の蛍光灯を取り替えることを頼まれた。「任せてください」と言ってそれを始めようとする太郎だったが、最初に目に入ったのは真理の昔の写真(レース・クイーン)だった。「昔、そう言う仕事をしていたんです」と言う真理に「今の方が綺麗だし...」と口にする太郎は蛍光灯の交換作業を始める。作業の途中で真理は

缶ビールとグラスを持って来て「お世話になっちゃって、コーヒーじゃ悪いかなぁって...ダメですか」とセクシーに太郎に迫ってくる。「いただきましょう、ビール」と太郎。真理はグラスにビールを注ぎ、「時々、相談とかしちゃっていいですか?」と誘惑しながらグラスを太郎に渡す。太郎は「遂に俺にも来た」と呟き、ビールをググッと飲むと「力になる。何でも相談しなよ」と嬉しさが丸出しになっていた。が、その時天井から蛍光灯カバーが落ちて来て、太郎の頭を

直撃し、その場に倒れてしまった。当然、グラスのビールがこぼれて、それを被ってしまう。真理は側にあったタオルを手にして太郎の顔を拭きながら「ビールでベトベト。シャワーを使ってください」と言う。太郎は「大丈夫です。家帰って洗えば十分です」と言うが「こんなことになったのも私のせいだし、シャワー、使って」と誘惑する真理。すると太郎は「是非」と言って浴室へ行く。
太郎はシャワーではなくて、浴槽に入っていた。真理は浴室の前から「ビール、まだありますから。逆に良かったのかも...湯上がりの方が美味しいですよね〜」と言う。これに太郎も「だよね」と答える。で、ここでも『元祖天才バカボンの春』を口ずさみ始める太郎でした。
マンション側の道では今井がお墓のセールスをしている。捕まったのは太郎の妻だった。が、結局断るのだった。
真理はベランダの鉢植えに水をやりに出る。(『元祖天才バカボンの春』を口ずさんでいる。)が、ベランダから下を見ると、旦那が帰ってくるのを目にすると、慌てて風呂場へ行き、扉を開ける。立ち上がった太郎は「いくら何でも一緒に風呂は不味い...」と言うが「うちの旦那が帰って来ちゃいました」と言う真理。明日まで出張のはずだったが、とにかくそこまで来ている、ということで太郎は慌てて服を着始める。真理は、旦那は嫉妬深い、学生時代ボクシングをやっていた、前にもエアコン修理の電気屋さんをボコボコにしたことがある、と言うものだから、一段と太郎は焦り、着替えの途中にもかかわらず、ズボンとシャツを一応着ていたので「今日の所はこれにて失礼します」と言って出て行こうとする。太郎が玄関に手を掛けようとするとチャイムが鳴り「真理、帰ったぞ」と言う声がした。で、大慌ての太郎と真理。結局太郎は靴を手にして奥の部屋に隠れることになった。
旦那が家に入ってくると「何かバタバタしていなかったか?」と尋ねる。これを何とかはぐらかす真理。そういう会話を耳にした太郎は、更に慌てて、こっそりとベランダに退避し、鉢植えの植物の奥に身を隠すと「どうやって家帰るんだよ...」と途方に暮れるのだった。
そうしている間に、太郎の妻と娘が帰宅した。綾香は直ぐに「パパいないよ」と気づくが、妻はタバコでも買いに行ったと考えた。
真理の旦那は真理の臭いを嗅いで「風呂場使っていたのに、何で真理は湯上がりの臭いがしないんだ」と言って疑い始める。「何か隠しているみたいじゃない」と言う真理だったが「そうなのかよ」と言って旦那はベランダを覗く。が、誰もいなかった。太郎はベランダの外に身を隠すように、セミのようにぶら下がっていた。
真理は旦那に反撃を始める。「放っておくだけ放っておいて疑われるなんてやってられない」と言うと、旦那は「ごめんなさい」と言って泣き始める。で、真理が宥めるが、ベランダの太郎はどうしようもない。そんな太郎の

携帯が突然鳴った。「どうしよう...」と言う太郎は片手でぶら下がると、携帯に出た。電話は妻からで「今どこ?浮気しているんでしょう」と言う。この言葉に動揺する太郎。が「な訳ないか。浮気なんかしていたら直ぐ顔に出ちゃうからね」と言うことで「タバコを買いに出たんでしょう」と言う妻に「まあ、そんなところ」と言って何とか切り抜けた太郎。が、その間に綾香がベランダに出てくる。で、パパがホタル族としてタバコを吸っている姿を真似る。で、隣のベランダに誰かいるのに気づく。体裁悪そうにする太郎だったが、綾香は「ママ、パパいたよ」と告げる。太郎は「言っちゃダメ」と言うが「かくれんぼ?」と綾香。で、頷く太郎に「セミみたい」なんてやりとりをしていると妻がベランダに出てくる。が、綾香を中に入れるだけで、太郎には気づかなかった。で、一安心する太郎。
太郎は地上を見ると、先ほどやってきたお墓のセールスマン・今井に気づいた。で、ポケットから今井の名刺を取り出して、携帯から電話を掛ける。(今井は子供相手にセールスをしていました。)で、電話に出る今井に「とりあえず、上見てもらえます」と言う太郎。で、上を見た今井はセミのような格好をしている太郎に気づく。「助けてください」と言う太郎。で、事情を説明し、今井が話術で真理夫婦を部屋から外に出し、その隙に太郎が部屋に戻って玄関から自宅に戻る、という作戦を今井は語る。太郎は「それでお願いします」と了承するが、今井は「その前に一つよろしいでしょうか」と言い「墓石の方を是非一つ」とセールスマンらしい所を見せる。太郎は「それとこれとは別でしょう」と言うと「それなら結構ですよ」と言う今井は「助けるという話は無かったことに...」と口にする。これに慌てた太郎は「買います、こうなったら何でも買います」と言い、交渉成立となった。で、今井は玄関に向かうが、太郎は足を滑らしてしまって、両手でぶら下がる状態になってしまった。
今井は玄関の前に立って、まずはネクタイを整え直す。そしてチャイムを押そうとするが、その時玄関ドアが開いて、それをおでこで受けてしまって、ノックアウト

、その場に倒れ込んでしまう。真理と旦那は久しぶりの外食と言うことでお出かけにしたのだった。
両腕でベランダからぶら下がっている太郎は限界が近づいていた。そうしていると、妻が洗濯物を持ってベランダに出てきた。「どこ、ほっつき歩いているのかしらねぇ、パパったら...」とぼやくが、綾香が「だから、あそこでかくれんぼしてるんだってば」と言う。しかし「はいはい」と言うだけで真に受けない。すると綾香は「パパのこと、愛してないの?」と言い出す。「パパとママはテレパシーで通じ合っている」と言うママに「じゃあ、パパがかくれんぼしていることも分かっているんだね」と言って中に入っていく。ママは一応綾香の言った所を見てみようとして覗くと、太郎がぶら下がっているのを発見する。唖然となってしばらく言葉が出なかったママは、少し間をおいてから「何、バカなことやってんの」と言う。が、太郎はもはや限界で「ママ、愛しているよ」と言うと地面に向かって転落

してしまった。
落ち葉が落ちる映像から、金剛地さんがお地蔵さんの前でマイクを手にして『元祖天才バカボンの春』を歌う。(「
恋日・3rd.」で主演がテーマ曲を歌うのは、1&2、5、7話以来です。→こういう所は「恋日」の流れをしっかりと受け継いでいる。)
真理と旦那がいちゃつく中、部屋に上がり込んだ今井はお墓のセールスをしている。一方、藤野家では頭に包帯を巻き、右腕を吊り、左足にギブスを巻いて松葉杖を突いている太郎がタバコを吸おうとしてベランダに出ようとしていた。ママは「せっかくに入院中

禁煙していたんだから、やめちゃえば」と言うが「まあ良いじゃないの」と言う太郎。太郎はママを見ると「テレパシー送った」と言うが「バカ」とママ。すると「なんて言うか、怪我の功名って感じかな」と口にする太郎。これに「良く言うわよ、若い人妻に下心ありありだったくせに」とママには見抜かれていた。すると「もうない。落っこちて無くなった」と言うと太郎はベランダに出た。そしてタバコに火を付けて一服。そうしていると、真理の部屋とは反対側のベランダに、若い女性がタバコを吸いに出てきて、彼女と目が合う太郎は軽く手を振って合図を送る。すると女性も返してきて、更にウインクを。これに太郎もウインクを返す。→やっぱり懲りていない太郎でした。
物語のAパートは約15分半強、Bパートは約10分半弱、エンドロールの部分は口笛のアレンジとなった『元祖天才バカボンの春』(インスト)ということで、この曲の持つ哀愁感をたっぷりと漂わせてくれるいい感じの終わり方でした。また、テロップで「
このドラマはフィクションです。ドラマのストーリーは、主題曲の作品とは一切関係ありません」というのも、1&2話以外では定型でした。
次回、11話の物語は「15才」というもので、中学生の物語である。テーマ曲は「のらくろクン」から

『You!You!You!』である。テンポの良いポップな曲で、その曲の雰囲気にマッチした物語である。主演は
福永真梨佳(現在は「福永マリカ」と表記を改めている。)である。
夏帆ポン、
早織ちゃん、
絢ちゃんというように、同じ事務所で「ケータイ刑事」襲名が続いているだけに、7代目候補の一人だと思われます。(その次の12&13話の
水沢エレナもやはり7代目候補の一人ですけど...)
が、次に記すのは、12&13話「卒業 〜春の嘘」とします。これは前後編の物語なので、後編放送後にまとめて1本にして記すことにします。
↓一応これらを
↓「恋日」関係
恋する日曜日
- 出版社/メーカー: キング
- 発売日: 2007/01/11
- メディア: DVD
↓テーマ曲関係
赤塚不二夫ソングブック
- アーティスト: アイドルフォー, カメカメ合唱団, 白木みのる, 赤塚不二夫, こおろぎ’73, アイドル・フォー, 敏とし, 石川進, 大野進, たなだひろし, ニャロメ児童合唱団
- 出版社/メーカー: バップ
- 発売日: 1998/10/21
- メディア: CD
爆笑アカツカ TVショー~赤塚不二夫 アニメ大全~
- アーティスト: テレビ主題歌, 島田紳助, 岡田恭子, 水森亜土, 堀江美都子, 下成佐登子, 白木由美, アイドル・フォー, ザ・アッコちゃんズ, コロムビアゆりかご会, こおろぎ’73
- 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
- 発売日: 2003/12/25
- メディア: CD
↓煙草ということで。