作品は、基本的にベースにしているのは「007」シリーズであり、そこに色んなパロディと独自のギャグを詰め込んだ内容である。「007」のパロディということでは「オースティン・パワーズ」がその代表例として言われている。この「オースティン・パワーズ」シリーズはパロディと言っても下ネタ・パロディに走っているが、本作は下ネタ・パロディではなくて日本流のベタなギャグに走っていると言った感じですね。
また、「裸の銃を持つ男」を感じさせる所も多少あるものの、そのドタバタ劇の張本人のドレビン警部は白髪で少しくたびれた年配刑事であるが、草刈さんにはスマートさがあって、ドレビン警部よりも若さがある。(それでも、随分と年齢を感じさせる所もありますけど...)雰囲気は5代目ボンドであるピアース・ブロスナンに少し年を加えた感じで、3代目ボンド(ロジャー・ムーアー)から少しユーモアのセンスを引いた感じと言った所があって、和製ボンドという雰囲気は十分ある。(初代・コネリー・ボンドのような野性さはない。)そのため、「裸の銃を持つ男」の名前が出ると、少し違和感を感じることもある。ただ、「裸の銃を持つ男」には有名スターのカメオ出演というのがあったが、本作では有名スターではなくて篠崎監督のお仲間である日本映画界を支える監督たちがカメオ出演しているということもあるので、「裸の銃を持つ男」ということを言っているのでしょうね。(こういう遊びがあるのは歓迎です。それにしても、こんな顔ぶれが集まる所は「銭形零・2nd.6話」の延長線上という感じだが、普通は集まってくれないものです。)
また、BS-i・丹羽P作品であることから、丹羽ファミリーというお馴染みの顔ぶれが次々と出てくるが、これも一つのお約束です。一方、初めてという顔ぶれの方は、今後「ケータイ刑事」へのゲスト出演を期待したい所である。
出だしは「007は二度死ぬ」のパロディをやっていて、その他にも「007/トゥモロー・ネバー・ダイ」を思わせる三輪嘉門の設定や、数多くの「007」に必ずいるボスの脇を固める用心棒的の存在はいいのだが、「007」シリーズにある(但し、全ての作品ではなく一部の作品だけですが...)ボンド・ビューティーズに相当するキャラクターが無かったのは残念でした。
草刈さん演じる高村さんが「ケータイ刑事」の中では「クルーゾ」の名前を口にしていたということで、「ピンクパンサー」シリーズに関する所もないかと期待したが、ドタバタとしていた所はあったが、「ピンクパンサー」のレベルには持っていかなかったですね。(ちょっと残念...)
ある意味では一文字楓がボンド・ガール的な役割でもある。(同じ諜報部員と言うことでは「007/黄金銃を持つ男」のボンド・ガール・メアリーがそうでした。)一方、「初代・マサオ・ガール」ということになっている霧島ハルキは、自分から首を突っ込んでいったということで、「007/消されたライセンス」のパムのような所がある。(パムは武闘派でしたが、ハルキは駄洒落派(?))が、特に歴代のボンド・ガールに完全に被らないキャラだったのは良かった所です。
上司が「M」というのは「007」そのままだが、秘密兵器の開発が「Q」ではなく「九」というのは如何にも日本的なところで捻りを入れているが、この役は金剛地武志さんにやってもらったら良かったのに...と思いました。
最後に、次回作のネタが出てきたが、「フライング・ハイ」と「ホット・ショット」は2作、「裸の銃を持つ男」と「オースティン・パワーズ」は3作が製作されている。こういう作品は2本目が出来てこそ存在価値が高まるので、是非とも実現させることを本気で考えてもらいたいところである。(2代目マサオ・ガールは早織ちゃん


そして、黒川芽以さん

↓「007」シリーズ

007 アルティメット・エディション スペシャル・コレクターズBOX
- 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- 発売日: 2007/08/25
- メディア: DVD

ピンク・パンサー リミテッド・フィルム・コレクション DVD-BOX
- 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- 発売日: 2006/05/10
- メディア: DVD