作品データを記しておくと、時間は95分、製作、監督、原案、脚本、主演をメル・ブルックスがこなしているのはこれまでの彼の作品と同じである。製作総指揮はエズラ・スワードロウ、原案と脚本はメル・ブルックスの他にルディ・デルカとスティーヴ・ヘイバーマンの名前が加わる。撮影はスティーヴン・ポスター、音楽はジョン・モリスである。そして出演は、メル・ブルックス、レスリー・アン・ウォーレン、ジェフリー・タンバー、スチュアート・パンキン、ハワード・モリス、ルディ・デルカ、テディ・ウィルソン、マイケル・エンサイン、マシュー・フェイゾン、たちである。
ロサンゼルスの大富豪・ゴダード・ボルトはビジネスの天才でもあった。そんな彼はダウンタウンのスラム街にボルト・シティを建設するという計画に燃えていた。しかし、その計画を進めていく上で彼は最大のライバル・バンス・クラスウェルと土地を巡ってぶつかってしまう。で、バンスが「金もカードもなく、スラム街で30日間生きぬいたら自分の所有地をやる」という賭けを口にし、ゴダードはその提案に乗ることにした。事業の方はプリチャードたち3人の弁護士に任せて、浮浪者の姿となってスラムにやって来たゴダード。しかし、スラムでの生活は厳しいものであり、ボルトは最初の一夜の宿にも困ってしまった。そんな中、バッグ・レディのモリーと出会い、助けられたゴダードは、彼女を通して人間の生き方や考え方について、大きな変化が起こり始める。その頃バンスは、賭けを反故にして、プリチャードらを買収してボルトの会社を乗っ取ってしまった...
本作は人情的に描かれていて、心が温まる所がある。本作と同じような内容の作品も複数存在しているが、コメディの王道を行く結末を迎える所と言い、ハートフルな登場人物、分かりやすいキャラ設定など、全ての点で本作の方が一段上の内容となっている。(長年、コメディ作品を製作してきたメル・ブルックスの経験の勝利ですね。)本作はじっくりと見ておきたい所である。