「ゲストキャラにおける類似点」の8回目となる今回のテーマは「
占い」です。(占いを行うキャラクターということで、各種占いがどうのということではない。)また、今回からは「007」のキャラクターにボンド・ガールを絡めていくことになります。
「占い」に関するグッズということでは、「ケータイ刑事」ではネタとして「
泪・1st.10話」の「
開運手錠」が出てきているが、これはグッズであってキャラクターではないが、キャラクター以外でも登場している。とはいうものの、キャラクターに絞っているということなので、それは無視させてもらう。で、「占い」に関係する「ケータイ刑事」の登場キャラクターと言えば、「
舞・3話」の
風水師・Mr.ロバ、「
零・1st.13話」の
カルーセル智美(睦月智美)がいる。(前者は殺された被害者、後者は犯人であった。)一方、「007」では「死ぬのは奴らだ」のボンドガール・
ソリテアがこれに該当する。と言うことで、それぞれについて述べていく。
「
ケータイ刑事」:
カルーセル智美。「
零・1st.13話」に登場した爆弾犯人であり、占星術を使う占い師でもある。また、ノストラダムスに傾倒していて、ノストラダムスを神と崇めていて、ノストラダムスの大予言をも信じていた。
占星術とは、文字通り、星を使った売らないである。古代バビロニアやペルシャ、インドなどを起源として、中世まで行われていた占いの一つで、惑星の位置や運行によって人や国家の吉凶を占っている。また、近代になって天文学が確立するまでの天文学の一つの形態であったということも出来る。
「
ケータイ刑事」:
Mr.ロバ。「
舞・3話」に登場した風水師である。彼は相談者の話を録音していて、それをタネにして相談者を強請っていて、それが原因で殺されてしまった。(まあ、悪どいことをやっていたのだから...)
風水とは、漢民族の文化を起源としていて、3世紀の中国では既に体系的に整えられていた。環境と人間の相関関係に関する思想である。「生気」という神秘的な力は人間と完納すると吉福をもたらすと考えられていて、地形、風や水の流に陰陽五行説や方位を判断して、生気が集中し、かつ淀みなくめぐる所に生活空間や先祖の墓を設けることが行われる。これが転じて「風水占い」が派生した。基本的に「陽宅」(家相をみるもの)と「陰宅」(墓相をみるもの)がある。
「
007」:
ソリテア。3代目・ロジャー・ムーアのお披露目作である第8作「死ぬのは奴らだ」のボンドガールで、演じたのはジェーン・シーモアである。(彼女のキャリアにおいて、何故か「死ぬのは奴らだ」に出演したことが消されている...これが本格的な映画への初出演であるのに...)占いの方は、タロット・カードを使った占いを行い、未来に起こることを予知する能力がある。が、ボンドとの恋に落ちて、その力を失い、命を狙われることになり、ボンドに助けられた。
タロット占いは、タロット・カードを使った占いである。そのタロット・カードは一組が22枚の絵札(「大アルカナ」と呼ばれる。愚者、太陽、死神などがある)と騎士の絵札3枚、トランプの53枚を合わせた78枚から構成されている。(騎士とトランプの56枚を「小アルカナ」と呼ぶ。)起源は定かではないが、13〜14世紀のヨーロッパとされている。
「ケータイ刑事」の2人のキャラクターは、真犯人と被害者ということで対極に位置するゲスト・キャラである。とは言っても、両者とも「占い」ということでは物語の中でやっていたというようなことは特になかったですけど... 一方、「007」の方は、彼女の占いがストーリーを動かしていったということにもなって、物語の中でも何度か占いを行っている。(ボンドのイカサマによる占いで動揺し、それ以降は占いが出来なくなってしまったけど...)ということなので、
相違点ばかりが目立つのだが、共通しているのは、占いの種類は違っているが、共に
古い歴史のある占いを使っているという所が
共通点である。(少なくとも、近代から現代に生まれたような占いではなく、いずれもが歴史のあるものである。→歴史の浅い新しい「占い」ということでは、血液型占いなどはこちらに属することになる。)が、これではあまりにも当たり前すぎることであり、とても「類似点」ということは出来ない。
ここで、キャラクターを「
女性」ということに絞ると、またも「類似点」が出てくる。というのは、共に自身が行っている
占いの力を強く信じているということである。智美はノストラダムスの信者であって、アンゴルモワの大王を復活させようというのがそもそもの犯行動機であった。で、ここまでやるということは、その力を信じていないと出来るものではなく、狂信的な考えを持っている人物と言うことになる。また、ソリテアは、恋をすると占いの力を失うと信じていて、処女であることを守り通していた。で、ボンドと恋に落ちてベッドインしたことで占いの力を失ってしまったが、それまでは頑なに処女を守ろうとしていた。実際、占いの力は処女でないと有することが出来ないのかは、別に議論が必要なことであり、それが事実かどうかということになると定かではない。しかし、ソリテアはそのように信じていたからこそ、ボンドと関係を持った後に占いが出来なくなってしまったという精神的な側面があるということも否定できるものではない。よって、ソリテアも「タロット占い」に関しては狂信的に信じていたということは言うことが出来る。つまり、女性陣は「狂信的な(占いの)信者」という共通点がある。
しかし、智美は狂信的な考えで世界を見ていたが、ソリテアは占いのことしか知らない世間知らずである、というように人間としては全く共通点がない対極にいるようなキャラクターでもある。考えは同じような所があっても、キャラクターは全く違うというのも、また面白いところであり、人間観察をする上でも興味深い所である。
まあ、平凡なキャラクターだったら、両作において、それぞれ全く目立たない存在になってしまうであろう。よって、キャラクターを目立たせるためには極端な所も必要になるのも仕方のない、というか当然でしょうね。→作品におけるキャラクターが共にしっかりしていて、しかもその道を極めているというような個性的なキャラクターが次々と出てくる、という所も両作品の類似点である。)
次回は、「ゲストキャラにおける類似点」の9回目の予定であり、まだまだ続きます。尚、「その19」で「双子」をテーマにして記したが、「
海・2nd.3話」において「ケータイ刑事」史上2組目となる
双子が登場したので、近いうちにそのの加筆改訂を行う予定でいます。
↓今回述べた物語はこれらに収録されています。
↓参考まで
posted by MEICHIKU at 00:00| 京都 ☀|
Comment(0)
|
TrackBack(0)
|
ケータイ刑事
|

|