まずは第16作「新網走番外地 嵐呼ぶ知床岬」(1971)
作品データを記しておくと、1971年の東映東京の作品で、時間は105分である。原案は伊藤一、監督は降旗康男、脚本は村尾昭、撮影は星島一郎、美術は藤田博、音楽は八木正生である。そして出演は、高倉健、三橋達也、野添ひとみ、江夏夕子、谷隼人、流健二郎、玉川良一、田中春男、中村是好、汐路章、室田日出男、南利明、由利徹、今井健二、山本麟一、藤田進、安藤昇、たちである。
西部劇タッチを狙った作品である。物語は、傷害事件で網走刑務所に服していた末広勝治は、2年8ヶ月ぶりに出所し、結婚間近い妹のいる東京へ向おうとする。が、駅前の食堂で加納牧場と熊谷牧場の乱闘に捲き込まれたことから加納牧場で働くことになる。この2つの牧場は先代の時代からダービー馬を生むことを目指して競い合っていた。そんな中、加納牧場にダービー馬になりそうな有望な馬が生まれると、熊谷牧場はその馬を手に入れようと企む。また、熊谷には、末広を亡き親分の仇として追っていた五代がやってきた...
いつもの展開であるが、ちょっと強引な所があるのが難点である。(まあ、そうしないと物語が成立しないというのだから、仕方ない...)いよいよシリーズにも翳りが見えてきた作品である。
第17作「新網走番外地 吹雪の大脱走」(1971)
作品データを記しておくと、1971年の東映東京の作品で、時間は106分である。原案は伊藤一、監督は降旗康男、脚本は大和久守正と降旗康男の2人、撮影は林七郎、美術は江野慎一、音楽は八木正生である。そして出演は、高倉健、星由里子、牧紀子、黒沢年男、谷隼人、田中邦衛、藤田進、南利明、玉川良一、小林稔侍、山本麟一、関山耕司、福山象三、今井健二、水島道太郎、清水元、室田日出男、由利徹、安藤昇、たちである。
物語は、久しぶりに網走刑務所を舞台にしたものとなった。網走刑務所の囚人たちは、末広のいる二舎、監獄ボス・熊沢のいる一舎、そして工藤や木村たちのひねくれグループの3つの派に分かれていた。熊沢は看守部長たちと組んで刑務所の物資を横流しをしてのさばっていて、更に、伐採した木材の横流しを計画し、暴動を起こそうと企んでいた。で、木村の死から一騒動あって、末広たちは山奥の豪雪地帯の深見農場に送られることになる。道中、末広の乗ったトラックは、熊沢が投げたダイナマイトによって谷に転落、辛うじて難を逃れた末広は瀕死の状態の俵星を網走へ連れて行くと、熊沢らが集まっている深見農場へと向う...
展開はともかく、網走刑務所が舞台になるというのは本シリーズとしたら、やはり必要なことである。それが久しぶりに見られるということで、新シリーズの中では上の部類に入る作品である。ただ、お決まりのパターンにもっていくためとはいうものの、結構ツッコミ所があるというのは...
シリーズとしては、翌1972年に最終作「新網走番外地 嵐呼ぶダンプ仁義」で幕を下ろすことになるが、長く続いてきたシリーズらしい所と、限界と思われる所が入り乱れているのがこの年の2本である。全作制覇を目標としないのであれば、特に見なくても良いかも...
↓参考まで(各種)
↓やっぱりこれですかね...