MBSの「
恋する日曜日」の第3シリーズの放送では、これというお薦め作品のみ、「[追加版]」として記しているが、1&2話の「綾子の恋」に続くのは第5話の「またあえる日まで」です。(「ケータイ刑事」では「[改訂版]」として更に加筆することにしたが、「
恋日」はある程度はBS-iの本放送時に記した物を参照していただくということで「[追加版]」としています。BS-iの本放送時に記したものは、
ここをクリックしてご覧ください。
この物語の主演は
岩田さゆりさん、テーマ曲は「めぞん一刻」から

『悲しみよこんにちは』である。(当然、このアニメ作品とは関係のないストーリーである。)物語は「綾子の恋」と同じ部分(友達と同じ相手を好きになったら...)があるが、こちらは中学生ということで、社会人が主人公である「綾子の恋」とは 違った展開であって、こちらは学園ドラマである。また、結末も大きく違っていて、淡い初恋の香がするちょっと切なさのある物語である。(4話と24話のように、共に高校生で同じようなネタの物語とは違います。)
そして、筆者が「
恋日」に期待している「
主演が主題歌を歌う」ということに該当する物語でもある。(「3rd.」ではこれが少なかったんですよね。)ただ、岩田さゆりさん、歌はお世辞にも上手いとは言えませんけど...
物語の方は、BS-iの本放送の時に記した物を少し整理しておきます。
学校の屋上で、聖クラリス学園高等学校のパンフレットを見ている内野千佳(うちの・ゆか)は、高校受験を間近に控えた中学3年生。千佳は鞄から携帯を取り出すと、去年のホワイトデー(この物語のBS-iの本放送は2007/2/3なので、時期的には丁度いい感じでした。)に受け取ったメールを開く。「屋上で待ってる。」という文面で、送信者は甲斐弘之(かい・ひろゆき)。このメールが届いてから1年が経とうとしているが、千佳は屋上に来る度にこのメールを何故か読み返してしまうのだった。また、そのメールを消去しようと思っても、消去出来なかった。そうしていると、親友で幼なじみの唐沢めぐみ(からさわ・めぐみ)がやって来た。で、ノートを見せてと言う約束を思い出して、二人は教室へ。
教室で千佳のノートを借りて写しているめぐみ。千佳は高校のパンフを見ている。しかし、偏差値が僅かに届かないと言うことで志望校を変えていて、その学校は諦めていた。「無理したってダメかもしれないし、落ちるの分かってて受けても辛いじゃん」と言う慎重派の千佳。一方めぐみは、担任に絶対無理と太鼓判を押されても、頑張れば手が届くかも知れないし、99%ダメでも1%の可能性があればやってみたい、という積極的な性格だった。そんな二人は雑談を始める。また、めぐみはチョコレートを出して二つに割り、半分を千佳に渡し「もうすぐバレンタインデーだね」と思い出したように話す。そして千佳の回想ということ形で1年前の話に突入する。
去年のバレンタインデーにめぐみは自分の名前を書かずにクラスメートの甲斐弘之(かい・ひろゆき)にチョコを贈った。が、それは千佳に頼んで始業前に甲斐の机に入れてもらったのだった。今では名前を書かなかったことを後悔していためぐみ。一方、千佳は千佳で、あの日(ホワイトデー)のことを後悔していたのだった。
千佳と甲斐はクラスメートで、何でも話せるような仲で、甲斐が千佳にタオルを借してと頼めば、平気でタオルを貸す千佳だったが、千佳は甲斐のことを気が合うクラスメートとしか思っていなかった。去年のバレンタインデー、千佳は甲斐の机にめぐみが作ったチョコを無事に入れた。その日の放課後、そのチョコを鞄にしまう甲斐。が、友達に見つかると早速冷やかされることになる。「贈り主に思い当たる人はいない」と言う甲斐だったが、その時自分を見つめている千佳に気づき、友達からは「内野じゃないか」と言われる。これに「知らないよ」と惚ける千佳。めぐみは千佳が誤解されたことを謝るが、千佳は全く気にしていなかった。
チョコが無記名だったので、めぐみと甲斐の仲は進展のしようがなく、千佳と甲斐との間は逆にぎくしゃくするようになっていた。そんな中でホワイトデーの朝を迎えた。登校途中の千佳の携帯に甲斐からメールが届いた。(例の「屋上で待ってる。」という文面のメール。)登校した千佳は屋上に向かう。甲斐がチョコの贈り主を誤解したままならば、自分を呼び出した理由は一つしかないと分かっていた千佳は、めぐみの甲斐に対する思いを知っているということで、甲斐に「あのチョコレート、冗談だからさ」と悪びれて言う。しかしそれを聴いた甲斐は「ふざけんな。だったらチョコレートなんかよこすなよ。人の気持ちで遊ぶな」と怒鳴りつけると屋上から去っていった。で、この一件以来、千佳は甲斐のことを意識するようになってしまった。しかし千佳と甲斐の仲は悪化して、二人が同じ日の日直になっても会話一つしないというぎくしゃくした関係となってしまった。
新学期が始まり、中3になった千佳たち。クラス替えの発表で、千佳とめぐみは同じ3年1組、甲斐は3年3組になる。が、千佳は益々甲斐のことが気になる。しかし甲斐は千佳と校内ですれ違っても全く口も聞くことはしなかった。
ある日、顔を洗った千佳にハンカチを貸しためぐみ。千佳がそのハンカチをめぐみに返した時、以前に千佳が甲斐にタオルを貸した時のことを思い出しためぐみは、「チョコを送ったのは千佳だと甲斐は思ったのじゃないか」と漏らした。また、チョコを無記名で送ったことをずっと後悔していて、「名前を書くべきだった」とも言う。更に、去年のホワイトデーに千佳が甲斐に呼び出されたことを知っていためぐみは、その時の様子を見ていた、とも告げる。甲斐は告白しようとしていたが、それを言う前に千佳が遮った。めぐみは、甲斐はチョコをもらう前から千佳のことが好きだったと分かっていて、「こんな形でふられるのなら、堂々と告白してふられた方が良かった」と言うと、仲が変になったことを謝るめぐみ。で、「これだけは謝りたかった、でもあとは謝らない」と言うと「千佳は甲斐のことが好きなんでしよう」と切り出した。千佳は「違うよ」と否定するが、めぐみには千佳の気持ちが分かっていて、「好きな人は分けられないよ」「そういう友情、凄く傷つく」と言って真剣に千佳を見つめるめぐみ。これに「ごめん」と謝る千佳。そして、最初は(甲斐のことを)何とも思っていなかったが、ホワイトデーの朝、甲斐に怒鳴られた時に自分の気持ちに気づいたと口にする千佳。また、めぐみは(甲斐に贈る)チョコを千佳に頼んだことが千佳の気持ちを目覚めさせたと知ると、チョコを甲斐に贈ったことを後悔する。
しかしめぐみは既に決心していて、「約束があるから」と言って甲斐を屋上に呼び出していたことを告げる。「(千佳と甲斐の気持ちが)そうであっても自分の気持ちをちゃんと甲斐に言わなければならない、ダメ元でも1年前に言えなかったことを伝えたいから」と千佳に告げると「結果はメールで報告する」と言って屋上に向かった。
千佳はホワイトデーの甲斐からのメールを開いていて、それを見つめたまま教室の席に座っていた。そしてめぐみの積極的なところと自分の慎重さを考えていた。で、めぐみが言った「頑張れば手が届くかも知れない」と言った言葉を思い出した。そんなところにめぐみから「報告」という形でメールが届く。しかしそのメールを開かなかった千佳。「めぐみみたいにぶつかって傷つく勇気、私も持ちたい」と思った千佳は屋上に向かって走り出した。
階段を上る千佳。屋上に出る扉の前で立ち止まると「まだ間に合うのなら、自分の気持ちを伝えたい」と決心した。で、屋上の扉を開けて出て行く千佳。めぐみと甲斐を捜す千佳だったが、二人の姿は屋上にはなかった。屋上からグランドを見下ろした千佳は、めぐみが手を振っている姿に気づいた。(めぐみは屋上の千佳には気づいていない。)が、それは甲斐に手を振っているところであり、直ぐに自転車に乗った甲斐がめぐみの所にやってきた。そして自転車の後ろにめぐみを乗せると走って行った。千佳は何も言うことが出来ず、呆然とそれを見送るだけだった。
そんな千佳は携帯を取りだすと、ホワイトデーの朝の甲斐からのメールを開いた。今までは何度消去しようとしても出来なかった千佳だったが、ようやく「はい」を選択して消去することが出来た。そして「ちょっと、遅すぎたか」と呟き、失恋したことを受け入れるしかなかった...
ヒロインのハッピーエンドとはならない物語は「
恋日」では珍しいのだが、本作ではヒロインが中学生ということで、甘酸っぱい初恋と、ほろ苦い失恋の思い出として、ヒロインに取っては今後積極的に変わっていくことで希望が持てたので、良い所でした。1&2話の「綾子の恋」と、着眼点(友達と同じ相手を好きになったら...)は同じであるが、全く違う展開、違う回答が用意されていたので、全く問題になるようなことはないです。
途中で主演の岩田さゆりさんの歌う

『悲しみよこんにちは』(声を聴いたら、オリジナルの斉藤由貴ではないですから、直ぐに分かりました。)が流れ、エンディングはこの主題歌をアレンジしたスローなテンポのインスト・ナンバーだったのも物語に余韻を与えることになり、良い所でした。(この曲も良い曲だということもあります。)
そして、エンドロールの最後には「
このドラマはフィクションです。 ドラマのストーリーは、主題曲の作品とは一切関係ありません」と出るが、1&2話以外は全てこの文言です。
「岩田さゆり」演技の点ではいい表情を見せてくれるし、安心して見ることも出来るので良いんですが、歌の方はもう少しレッスンを積んでくださいね。で、この物語のBS-i本放送時に、6代目ケータイ刑事候補ではないかとして記したのですが、ひょっとしたら歌の点で外れたというような気がしないでもありません。また、6代目を襲名した
絢ちゃんとは同じ学年であるが、生まれは半年少し岩田さんの方が早いということから考えると、7代目以降を襲名する可能性はゼロになったと言って良いでしょうね。
次回・6話の物語は「失恋の傷の癒し方」という物語であるが、「
恋日・3rd.」では主演の年齢が高い方になる物語である。(全26話の主役の平均年齢は19.5歳、女性に絞ると17.2歳である。)。主演は白田久子さんで、23話の主役を務める松尾敏伸さんも出ている。テーマソングは「みゆき」から

『想い出がいっぱい』です。大人の物語かと思ったら、結構シニカルな物語でもある。結末は「恋日」らしいものです。しかし、次回の物語は記すのをパスして、
第7話の「
ジャスト・ニート」を次に記す予定です。これは「タッチ」の主題歌

『タッチ』をテーマ曲としていて、BS-iでは「さそり」「愛の道 チャイナロード」でお馴染みの
水橋貴己さん主演作であり、同時に第3回BS-i脚本賞受賞作でもある。ラブ・ストーリーではないですが、なかなか良い物語です。
↓「恋日」シリーズ(本作・3rd.はまだリリースされていません)
↓「恋日」の劇場版
恋する日曜日
- 出版社/メーカー: キング
- 発売日: 2007/01/11
- メディア: DVD
↓テーマ曲の作品(本作とは関係ありませんけど...)
めぞん一刻【劇場版】
- 出版社/メーカー: ファイブエース
- 発売日: 2000/10/18
- メディア: DVD
めぞん一刻 テーマソングベスト
- アーティスト: TVサントラ, 斉藤由貴, 来生たかお, PICASSO, ギルバート・オサリバン, 安全地帯
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 1999/03/17
- メディア: CD
悲しみよこんにちは
- アーティスト: 斉藤由貴
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 1988/04/29
- メディア: CD
「めぞん一刻」ベストセレクション
- アーティスト: 安全地帯, 松尾清憲, PICASSO, TVサントラ, 斉藤由貴, 来生たかお, 音無響子, 松井五郎, 湯川れい子, 森雪之丞, 来生えつこ
- 出版社/メーカー: キティ
- 発売日: 1994/11/02
- メディア: CD
YUKI’s BEST
- アーティスト: 斉藤由貴
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 1995/01/06
- メディア: CD
↓主演の岩田さゆり関係
Thank You For...
- アーティスト: MissTy, 小澤正澄, 鎌田真吾, Dr.Terachi, Shuntaro, 岩田さゆり, 小松未歩, 凛々, 佐々木美和, 上原あずみ, 加藤沙香菜
- 出版社/メーカー: GIZA studio
- 発売日: 2005/12/07
- メディア: CD
空色の猫
- アーティスト: 古井弘人, 林良, GARNET CROW, 岩田さゆり, AZUKI 七, 凛々
- 出版社/メーカー: GIZA studio
- 発売日: 2005/03/30
- メディア: CD