二段構成として記している「
銭形海」、こちらの方は物語の中身を追っている長文&ネタバレたっぷり編です。今回は、高村さんとの別れの物語となる13話「さよなら相棒! 銭形海VS高村一平」。またも海外への出向が決まった高村さんということで、ドラマを見せてくれた物語でした。それにしても、平の巡査である高村さんは海外勤務ばかりとなるのはある意味凄いですね。五代さん(巡査部長)と岡野さん(警部補、現在は警部)は警視庁内で他の警察署への転勤でしたから...
別れの物語でもお約束がある「ケータイ刑事」であるが、今回はそれ以外「冷え性」ネタが思わぬ所で出てくると言うこともあり、KJ脚本が冴え渡った物語でもありました。それではいつものように、ネタバレありの長文で、本編に行きます。(尚、放送直後に記した「感想+次回予告」版は
ここをクリックして下さい。)
警視庁。
海ちゃんがいつもとは違う表情をしながら歩いてくると、ポケットから
緑のリボンの付いた魚のイラストの包み紙の小さなプレゼントの箱

を取り出して、それを見つめて神妙な表情をする。そんな
海ちゃんはいつもの

笑顔で「おはようございま〜す」と言って高村さんの所にやってきた。高村さんは部屋で荷物の整理をしている最中だった。で、段ボール箱の中に荷物を整理していたが、イルカのプン太(のぬいぐるみ)をはじめ、机の上には「
海」の1話から登場した様々な小物があった。(スニーカー、血圧計、スッポンパパ、鉄砲フグの手ぬぐいからビデオテープ、リンゴ、サングラス、「ア」とおでこに書かれたタコ、熊の木彫り人形まで揃っている。)「後片付けですか?」と
海ちゃんが尋ねると「立つ鳥跡を濁さず。数ヶ月なのに色々と貯まっちゃってさぁ...」と言う高村さんは、スーパーなどの買い物かごを持ってくると「いいものあげよう。これあげる」とその中からあるものを
海ちゃんに渡した。それは「
草刈正雄の華麗なる卓上カレンダー」であった。(表紙の1枚の写真は現在、もう1枚の写真は若い草刈さんです。)で、
海ちゃんは表紙をめくってみると「微妙〜」と複雑な表情をした。
「でも、急でしたね。
スコットランド・ヤードへの出向」と口にする
海ちゃん。(
海ちゃんはやっぱり知っていました。やっぱり、おじいちゃまから昨夜聞かされたのでしょうね。)これに「そうなんだよ。僕も色んな国へ行ったけど、
本場イギリスへは初めてよ」と返し、「本物のワトソンに会ったら連絡する」と冗談交じりに言う。笑っていた
海ちゃんは「もうすぐ
コンビ解消ですね」としんみりとした表情を見せる。これに「そうだね...」と感傷っぽく高村さんは「短い間だったけど、すっげぇ楽しかった」と言い、「こちらこそ」と
海ちゃん。そして「じゃあ、今日はパーッとご飯でも食べに行きますか。勿論、
高村さんの奢りで」と
海ちゃんの方から誘うも、しっかりとしていますね。これに高村さんは「おいおい。普通、
僕が奢られるんじゃないの」と言うが、
海ちゃんは「
酷〜い。お小遣いの少ない女子高生に奢らせるつもりですか?」と言うと、後ろを向いて「
うぇ〜ん」。すると高村さんは「分かった、分かったよ。もう、
従姉妹直伝のその嘘泣き、止めてよ」と
海ちゃんの作戦を見抜いていた。
海ちゃんは

笑顔で高村さんの方を振り向くと「ばれました」。→分家の従姉妹たちまでもが嘘泣きを継承している銭形シスターズ。相棒の操縦法も受け継がれているんですね。それにしても
泪ちゃんの
嘘泣きはもはや立派な芸術といったところです。岡野さんがそのうち「嘘泣き検定4級」という資格を披露するなんてこともあったりして...(で、銭形が「私は1級ですよ」とやりこめる...)
そういう
泪ちゃんネタをしていると、「
警視庁から入電中」と事件を知らせる入電が届いた。素早く携帯を開く
海ちゃん。「世田谷区下北沢で殺人事件発生。被害者は三崎製薬の会長・三崎大吾(みさき・だいご)。直ちに現場に急行せよ」これに
海ちゃんは「あっちゃ〜。ご飯を食べに行くどころじゃないみたい...」と落胆していたが、高村さんは「三崎製薬、三崎大吾...」と呟いていて、被害者を知っているようだった。
現場となった三崎邸(この家、「
恋日」でも見たことがありますけど...)にやってきた
海ちゃんと高村さんは早速捜査を開始する。死体を見た
海ちゃんは「外傷はなさそうですね」と言うと「毒でも盛られたかな?」と高村さん。そこに「報告します」と言って逆立ちをしている柴田さんが現れる。で、横方向に足を倒して立ち上がるとマスクをしていて咳き込む柴田さん。「ちょっと、風邪気味なもんで...」と言う柴田さんはマスクを下にずらすが、もう一枚マスクをしていた。(そのマスクには

唇が描かれている。)高村さんは咳き込む柴田さんに「もうすぐ新天地に旅立つ僕に移さないでよ〜」と文句を口にすると「すいません」と謝る柴田さんは

唇マスクを下にずらす。すると唇の上下にマスクの柄と同じ

唇シールを付けていた。(今回のお笑い担当を一手に引き受けている柴田さんでした。)そして
海ちゃんと高村さんの顔色をうかがうが、滑ったと思って

唇シールを剥がすと敬礼をして、真面目な顔になって報告を始める。「死因はシアン化カリウム、所謂
青酸カリによる中毒死ですね」そして、本日この家では親戚が集まったホームパーティが行われていて、食後の珈琲を飲んでいると、被害者が突然倒れたと伝える。これに
海ちゃんが「珈琲の中に毒が入っていたんですか?」と尋ねる。これに「被害者のカップのみ、青酸カリが検出されました」と言い、他には異常はなかったと答える柴田さん。(言い終わるとやっぱり咳き込んでいる。)
海ちゃんはテーブルの上にあった薬の入った瓶を手にすると「これは?」と尋ねる。これに「被害者の胃腸薬です。いつも食後に呑んでいたようですね。毒物反応はありませんでした」と柴田さん。すると
海ちゃんは「何処かに青酸カリを入れていた容器があるはずです。至急敷地内の捜索を」と柴田さんに指示を出す。すると「了解しました」と柴田さんは言うとバク転をするように逆立ちをして、
海ちゃんの指示に従って捜査を始めた。
その頃、高村さんは隣の部屋の椅子に座っている社長夫人の前にいた。そして夫人を見ると「久しぶりだね、佐々木... いや、今は三崎洋子さんだ」と言って近づいていく。すると夫人は高村さんの顔を確かめるように見ると「高村くん?」と返した。
応接室に移動した3人。高村さんが説明してくれる。洋子は
ペッパーダイン大学時代(久しぶりに出ましたねこの名前!!)の友人で、当時の洋子はボーイズたちの憧れの的ということだった。これに洋子も、高村くんだって随分ともてた、変な英語を使ったり、急に歌ったり踊ったりして、と高村さんの過去を語る。(学生時代から全く変わっていないということですね、高村さんは。)で、笑う3人。
海ちゃんは突然振り向いて「昔からそうだったんだ...」とつぶやいていた。(この様子では、直ちに従姉妹たちや
雷お姉ちゃまの耳に伝えるでしょうね。)
高村さんと洋子は昔を懐かしむような状態になるが、
海ちゃんが咳払いをして、事件のことについての洋子への質問が始まる。で、パーティというよりも、会長が料理に凝っていて、昼食会をするということで、今日も従兄弟や友達が集まって食事をして、食後に洋子が珈琲を運んできて、会長が珈琲をカップに注ぎ、みんなに配った。洋子は会長のメガネを取りに2階に上がったが、その時、珈琲を飲んだ会長が突然苦しみだして倒れたということだった。洋子の話に高村さんは「つまり君はその場にいなかったんでしょう。それだったら何も心配は要らない。
君に犯行は無理だ」と洋子を庇う。「そうでしょう、銭形くん」と
海ちゃんに確認する高村さんだったが、
海ちゃんは、青酸カリが見つかったのは被害者のカップだけなので、珈琲をついで大吾が口にするまでの間に毒が入れられたはず、と言う。すると洋子は「今日いらしたお客様の中に犯人がいるっておっしゃるのですか?」と慌てて
海ちゃんに尋ねる。これに「誰か、心当たりありませんか?」と尋ねるが、洋子は「まさか、そんな...」と

呆然となるだけだった。これに「よく考えて」と高村さんが洋子に優しく言うが「私、分かりません」と言う洋子は頭を抱えて困惑するだけだった。
海ちゃんは高村さんの行方を捜していた。他のみんなに話を聞く、と言う
海ちゃんだったが、高村さんは2階の踊り場で洋子と二人っきりになっていて、元恋人が久しぶりの再開した時のような会話をしていた。「あの日、どうして来てくれなかったんだ?」と問う高村さんに「あなたの夢、邪魔したくなかったから」と答える洋子。そして高村さんのスーツの内ポケットに「これ、私の連絡先」と言ってメモ紙をそっと入れる洋子。その様子を物陰から
海ちゃんは見ていました。
警視庁に戻った
海ちゃんと高村さんはホワイトボードを使って捜査会議をしていた。高村さんは「必ずシッポを掴んでやる」と意気込んでいたが、
海ちゃんはうつむき加減でいた。尚、ホワイトボードには、容疑者の名前として、三崎小吾(被害者の従兄弟)、波野大洋(被害者の友人)、波野香(波野大洋の妻)の3人の名前が書かれてあった。高村さんは「現場ワンハンドレッド」と言って渇を入れようとするが、
海ちゃんは「それより、
一人名前が抜けていますよ」と言って洋子の名前がないことを指摘する。これに高村さんは「君は彼女を疑っているの?」と問うが「勿論。彼女も
立派な容疑者です」と言う。が、高村さんは洋子を庇い、
海ちゃんは「一番得をするのもあの人じゃありませんか」と言って対立する。そして
海ちゃんは即効性の毒物である青酸カリを使えば、その場にいる人間が真っ先に疑われるので彼らがやったなら自分たちがやったと言っているようなもの、アリバイのある洋子が何らかの方法で毒を入れたと考える方が自然だ、と洋子が犯人だという見当を付けていた。これに高村さんは「そんなバカな」と言ってホワイトボードを叩く。するとホワイトボードが回転して裏面に張ってあった

映画「
0093女王陛下の草刈正雄」のポスターが出てきた。しかも「前売(デカ割引アリ 高村まで)」という張り紙もあり、自分で売っている高村さんでした。(→この映画の監督&脚本は今回の物語の監督&脚本でもありますから、たっぷりとPRをすることを忘れていませんでした。東京では10/13、大阪では10/27からロードショーです。)
海ちゃんは「私は
可能性を考慮しているだけです」と言うが、高村さんは「何だよ、その
捻くれた考え方は。女子高生なんだからもっとピュアなハートで物事を見て欲しいな」これに
海ちゃんはテーブルを叩いて立ち上がると「高村さん、
捜査に私情を挟むのは禁物ですよ。」これにすかさず「挟んでない」「挟んでます」と、こうなると二人の対立はどうしようもない状況になってしまう。高村さんは洋子を知っていて、人殺しの出来る人間ではない、と言い「こればかりは
君の見当違いだ」と言うが「
私が今まで間違ったことありますか」と
海ちゃん。すると高村さんは海ちゃんに「いや、…、ない。君はいつだって間違ってない。でも
冷たすぎる」と言うと出て行ってしまった。一人になった
海ちゃんはポケットからプレゼントの箱

を取り出すと、それを思いっきり床に叩きつけた。(高村さんは「
泪・2nd.6話」でよく知っている人物の犯行だったということを経験しているのに、その経験が生きていないで変わっていないですし、感情丸出しで激しい
海ちゃんも初めてですね。にしても
絢ちゃん、目の演技が出来るようになり、演技の方も随分と上達しました。)
海ちゃんは一人で洋子の所に行き、「いくつか確認したいことがあります」と言って質問をする。
海ちゃんは「顧問弁護士から預かった遺言状の遂行です」と言って会長の遺言書の書類を取り出す。大吾は遺産の殆どを慈善事業に寄付するように書き換えるつもりだった、と言い、「それが
事件の動機だと思います」と言う。そして「犯人は遺言状を書き換えて欲しくなかった人物、つまり、
遺産相続人の一人です」と考えを口にする。更に、洋子は結婚前、三崎製薬の薬剤師だったと言うことを確認する。すると「あら、私が犯人だとおっしゃるの?」と洋子。すると「そう思っています」と力強く即答する
海ちゃん。すると洋子は笑い出して「素直なお嬢さんだこと。だけど残念ながら答えは
ノーです。私は主人を殺したりなんかしていません。」と言って犯行を否定して、右手で耳をかいていた。そして「だって私、あの場にいなかったんですよ。どうやって毒を入れることが出来たんですか?」と逆に尋ねる。これに「まだ分かりません」と答える
海ちゃんは、遺言書の書類を回収すると「どうもお邪魔しました」と言って立ち上がり帰って行こうとする。
そんな
海ちゃんを呼び止めるように「高村くんは何と言っているのかしら?」と洋子が尋ねる。立ち止まった
海ちゃんは「
あなたの無実を信じています」と答える。すると「だったらあなたもそうなさったら。
目上の言うことは聴くものよ」と忠告する。しかし
海ちゃんは洋子の方を振り返ると「
時には年下の言うことにも耳を傾けるものです」と言う。これに洋子は「あなた、
ひょっとして冷え性かしら?
頑固な女は冷え性だって言うから...」と、ここで出ました「冷え性」ネタ。(相棒以外がこれを口にしましたが、高村さんは学生時代から言っていたということなんでしょうか?いや、もはや世間の一般常識として誰もが思うようになったのか?→時空が歪んでいる港区赤坂や世田谷区下北沢の住人にとっては常識なのかも...???)
海ちゃんは「私は普通です。
あなたこそ冷え性じゃありませんか?」と返すと、「じゃあ、失礼します」と言って部屋を後にした。廊下に出た所で「
寄せる、悪のさざ波」(ここでAパート終了。経過時間は14分を過ぎた所ということで、Bパートは11分半弱となります。)
警視庁に戻った
海ちゃんは一人で机に向かって考えていた。既に夜も遅くなっていて、部屋の明かりも付けていないでスタンドの明かりだけの薄暗い部屋にいる
海ちゃん。(歴代ケー刑事も全員が深夜まで取り組んでいた事件がありましたが、
海ちゃんも深夜まで事件の解決に尽力するというのは、しっかりと「ケータイ刑事魂」を受け継いでいますね。が、未成年を深夜まで就業させていて、労働基準法に触れて問題になりませんか、警視庁?)そんなところに柴田さんがやってきて、ドアをノックしてから部屋の明かりを点けると
海ちゃんの側にやってきた。手には

コーヒーカップを持っていて、それを
海ちゃんの前に置く。すぐに「ありがとうございます」と言う
海ちゃんに「まだ終わらないんですか」と優しく尋ねる。これに
海ちゃんは、「結局、青酸カリの容器が発見できなかったそうですね」と尋ねる。柴田さんは念のために容疑者たちの身体検査を行ったが何も出なかった、と報告する。
海ちゃんは犯人はどうやって青酸カリを身につけていたのかが分からないでいた。そんな
海ちゃんに「まあ、あんまり根詰めないでくださいね」と優しい柴田さん。
海ちゃんが「ねえ、柴田さん?」と言って振り向くと柴田さんは逆立ちをしていた。
海ちゃんは「私って、
冷たいですか?」と尋ねる。これにまたも横方向に回転して逆立ちを止める柴田さんは「えっ?」と声にするが、
海ちゃんは「いえ、何でもないです」と言って取り消した。柴田さんは「冷めない内にどうぞ」と言って盛ってきたコーヒーを勧めるが、そこで咳をしてしまう。で、「すいません。私、ちょっと
薬呑みますね」と言ってポケットから薬が入った袋を取り出し、カプセルの薬を口に入れ、水を飲み、続いて粉薬を口に入れた。それを見ていた
海ちゃんは

コーヒーカップに視線を移すと「そうか、そういうことか」と

閃いた。それに気づいた柴田さんは「どうしました?」と尋ねるが、粉薬を口から噴いていました。
海ちゃんは「
謎は解けたよ、ワトソンくん」を口にするが、今回はあまりにも思い口調でした。
翌朝、三崎邸の前にいる
海ちゃん。そこに高村さんがやってきて敬礼する二人。
海ちゃんは「急に呼び出してすいません」と言うが高村さんは何も言わずに中に入っていこうとする。
海ちゃんは「高村さん、私は冷たいかも知れません。でも、
相棒です。最後まで付き合ってください」と言う。これに小さく頷く高村さんは「分かった」と言うと先に中に入って行った。
洋子が二人を応接室に通そうとするが「結構です。直ぐに済みますから」と
海ちゃんは立ったままでいた。洋子は「まだ何か聴きたいことがあるの?」と問うと「何度もすいません。でもこれで
最後です」と答える。これに「あら、じゃあ事件は解決するのかしら?」と洋子。
海ちゃんは力強く「はい、
あなたを逮捕します」と言う。すると高村さんの方に視線を移した洋子が「どういうこと?高村くん」と尋ねる。これに高村さんは「彼女には言い分があるらしい。すまないが聴いてやってくれないか。間違っていたら僕も否定する」と口にする。これに溜息をついた洋子は「そういうことなら、どうぞ」と言って
海ちゃんの話を聞くことにした。
「きっかけは大吾さんの
遺言状です」と言って語り始める
海ちゃん。内容が変更されれば洋子が相続するべき財産は大幅に減ってしまう。だから大吾殺害を企てた。しかも洋子なら、こっそりと会社から青酸カリを手に入れることも出来た。そして大吾に毒を飲ませた。昼食会の席を狙ったのは招待客に容疑がかかるようにするため、と一気に続ける。これに洋子は呆れ顔で「言ったはずですよ」と言うと右手で耳を触り「私は
主人を殺してなんかいません。
全てはあなたの推測でしょう」と言い「
証拠は?私が主人に毒入の珈琲を飲ませたという証拠は何処にあるんです?」と問う。これに「ありません」と答える
海ちゃん。すると「だったらこの話はおしまいね」と洋子は話を終わらせようとして「そうでしょう、高村くん」と高村さんに同意を求めようとする。高村さんは何も言わない。で、洋子は立ち上がると「せっかくだから、お茶でもお出しするわ」と言ってキッチンに向かっていく。
そこに三味線の音が届いてきて、岩に波が激しく辺り、白波となる。「何なの、これ?」と戸惑う洋子。「
大波小波かき分けて。…」海ちゃんの口上が始まり、「
私の碇で沈みなさい!」から「神奈川沖浪裏」の大波がうねり、
赤い碇のストラップが飛ぶ。碇が床に突き刺さると、鎖が洋子を拘束していた。
海ちゃんが鎖を引くと、洋子は大回転からその場に倒れ込むが、
海ちゃんを見上げて「何するんですか?」と問う。洋子の前に立ち塞がった
海ちゃんは「毒入の珈琲を飲ませた証拠はありません。だって被害者が飲んだ珈琲に
毒は入っていなかったんですから」と告げた。
これに「何ですって?」と驚く洋子、「ちょっと待ってくれ」と高村さん。
海ちゃんは「思い出してください。珈琲のカップは何処にありましたか?」と言って説明を続ける。青酸カリは即効性なので、珈琲に毒があったらカップはその場で手元から落ちたはずだが、カップはきちんとテーブルに置かれていた。つまり、大吾は珈琲を飲んだせいで死んだのではない、と語る。すると洋子が「それじゃあ、どうやって毒を飲ませたと言うんです?」と尋ねる。これに
海ちゃんは袋に入った薬の瓶を見せて「これです」と言い、食事が済んだ後に洋子は大吾に青酸カリ入りのカプセルを渡した。薬剤師だった洋子であれば胃の中でカプセルが溶ける頃を見計らって珈琲を出すことが出来る。そして自分はその場から離れて、大吾が倒れてから毒を入れた。これに洋子は「
お得意の推測ですか。じゃあ
証拠は?私が犯人だという証拠は何処にあるの?」と問う。これに「あります」と
海ちゃん。しかし「何処に?私は皆さんたちと一緒に身体検査まで受けたのよ。でも何も出なかったじゃない」と反論する。
これに
海ちゃんは「あなたはとても頭のいい人です。決め手となる証拠を隠すために最も安全な場所を見つけた」と言う。洋子は「何のお話かしら?」と惚ける。
海ちゃんは「それは...」と言い出しにくそうな表情をするが、高村さんが内ポケットから洋子から受け取ったメモ紙を取り出して「これのこと?」と言う。それを目にした洋子の表情が変わった。
海ちゃんは「あなたが高村さんに渡したものですね」と確認すると「検査をすれば青酸カリを包んでいた紙だと証明できます」と言い、最後に「何かご質問は?」と尋ねた。洋子は観念したようで、呆然となって「無いわ」と言って犯行を認めた。
洋子は高村さんの前に移動すると「高村くん、ゴメンね」と謝った。高村さんは「何故だい?何故君が?」と犯行理由を尋ねた。これに洋子は「私、今までずっと主人に従って生きてきたの。これが最初で最後の私のわがまま」と口にして「人は変わるのよ。いつまでも昔のままじゃないわ」と告げる。しかし高村さんは「ちっとも変わらないよ。
君は嘘をつくと耳を触る癖があるんだよ」と、高村さんも洋子が犯人だと分かっていた。洋子は「私、あなたに会えることが分かっていたら、こんなこととしなかったのに...」と公開の言葉を口にした。で、高村さんが洋子に手錠を掛けて連行していった。
海ちゃんは二人の会話にずっと背を向けて聴いていたが、目の前を通っていく高村さんに「高村さん」と声を出したが、高村さんは一旦立ち止まったものの、何も言わず、また振り返ることもしないで洋子を連行していった。
警視庁。廊下から外を見ている
海ちゃんの手には、
緑のリボンの付いたプレゼントの小箱

があった。そこに柴田さんがやってきて「
海ちゃん、見送り、行かないんですか?」と尋ねた。「私はいいです」と答える
海ちゃんに「どうして?」と柴田さん。「会わせる顔がありません」と答える
海ちゃんは辛そうな表情をした。柴田さんは敬礼をするとそれ以上は何も言わなかった。
その日の夕方、

飛行機が見える海岸の公園にいる
海ちゃん。

飛行機が飛んでいき、もの思いにふける
海ちゃん。そこに「どうしたんだい?ジャパニーズ・ガール」という高村さんの声がした。
海ちゃんは怪訝そうな表情で振り返る。高村さんは
海ちゃんの側にやってくる。(この時、
海ちゃんの背中の鞄のイルカマークの数を確認できます。13話の事件を解決したということで13個というのは分かりますが、8〜11話は4回で1つの事件だったので9個が正しい数だと思うんですけど...→入電ムービーの数に合わせているの?(劇中、8〜11話は入電ムービーは登場しなかったが、公式HPにはちゃんと用意されていましたから...))
海ちゃんは何も言わないでいたが、高村さんが「思い出すねぇ。君と初めて会ったのも海だった」と思い出すように語る高村さん。(1話で、漂流中の高村さんの前に、海の中から現れた
海ちゃんでしたね。)
海ちゃんは「高村さん、何で?」と訳が分からない様子だった。これに照れ笑いをしながら高村さんは答える。「僕としたことが、
飛行機、乗り遅れちゃってさぁ。それに、
大事な相棒に挨拶するのを忘れていた」と語る。これに「ごめんなさい」と謝る
海ちゃん。高村さんは
海ちゃんの肩に手を置くと「君はいつだって間違ってない」と言う。それ以上の言葉は二人には要らなかった。高村さんは「また一緒に組みたいね」と言うと敬礼をする。すると
海ちゃんも「はい、こちらこそ」と言って敬礼を返した。(→「M3」でという可能性はありますよね?でも、「
海・3rd.」でトミーとコンビを組むことがなければ「M3」ではトミーとのコンビとなるような気がします...)
海ちゃんは「それから...」と言ってポケットからプレゼントの小箱

を取り出し「これ」と言って高村さんに渡した。高村さんは「プレゼント?」と言って喜び「開けて良い?」と尋ねる。「どうぞ」と
海ちゃんが答えると、
緑のリボンを解いて箱を開ける高村さん。中にはステンドグラス調の
イルカのストラップが入っていた。「お守りです。イギリスに行っても頑張ってくださいね」と
海ちゃん。高村さんは「サンキュー、大切にするよ」と感激していた。
そんな高村さんは腕時計を見ると「さてと、次の便まで時間があるんだ。ご飯でも一緒に行こう」と誘った。これに

笑顔で「喜んで」と答える
海ちゃんだったが「勿論奢りですよね」と抜け目はありませんでした。高村さんも「やっぱりそうきたか」と分かっていましたけど... で、最後は夕日で赤く染まる海をバックに
海ちゃんの

笑顔でした。
次回からは「
2nd.シリーズ」に突入となり、相棒は「
零・2nd.」以来となる
五代さんの復帰、
海ちゃんの制服も冬服になり、髪型もポニーテールに変わります。で、五代さんとの出会いとなる14話(2nd.1話)の物語は「スニーカー、復活! 〜エリーゼのためにならない殺人事件」です。当然、お約束がたっぷりとなる物語ですが、五代さんは本家・四姉妹の全員とコンビを組んだものの、従姉妹とは初対面となるだけに、どういう出会いをするのかが楽しみです。また、柴田束志さんとも初対面になるだけに、こちらも見物です。ゲストは有坂来瞳さんということで、伝説となっているワンシーン・ノーカットの「
愛・13話」以来の「ケータイ刑事」への出演となります。(BS-iでは「
恋日・3rd.20話」の「30 -Thirty-」以来となります。)そして、「1話」と言えば絶対に外せないのが我らが
クイーン・宝積さんですが、今回は「
零・2nd.2話」のダイエット・クイーン以来となる被害者としての登場です。公式HPによると、「クイーン」とは記されていませんが、
宝積さんはピアノ教室で一番の美人と言われる有香子。(おそらく、ピアノ・クイーンであると思われます。)
次回予告では、
海ちゃんたちがバンドを組んでいる所がありましたが、柴田さんはエレキギターを手にしていましたが、
海ちゃんはエアギターでした。→2nd.では
海ちゃんも派手に歌うのか、それともこれはOPの映像なのか?(まあ、見たら分かりますね...)
鑑識メモ。イルカのプン太をナデナデしている柴田さん。「柴田です」と言うと「鯆」(いるか)と書かれたフリップを見せる。そして「知性の高い鯆は
海ちゃんにちょっと似てますね」と言うと、

携帯が鳴った。「おっ、電話です」と言って話を打ち切って携帯を手にすると「おっ、高村さんだ」と言って電話に出る。「もしもし...」し話し出す柴田さんは「
海ちゃんに、イルカのストラップありがとうと伝えてくれ」と伝言を頼まれるが「分かりました」と嫌そうに言うと電話を切る。すると「高村さんにだけイルカのストラップあげて、どうして僕にはくれないんだ!」と

怒る柴田さん。が「と言いながら、実はイルカのストラップ、
買っちゃいました」と言ってそれを見せる柴田さん。そして「さようなら、
はなかみまさおさ〜ん」と言って手を振っていました。(→自分で買うなんて、ちょっと寂しい柴田さんです。柴田さんも、何処かに出向となったら、
海ちゃんからプレゼントを貰えると思いますけど...)
今回の物語は「シリアス路線」と言っている「
銭形海」としたらとてもいい物語でした。「ケータイ刑事」では珍しく、感情を丸出しにしたり、悩んだりする
海ちゃん。人間的な心を描いた人間ドラマもたっぷりと見せてくれて、「シリアス路線」ということに恥じない内容でした。(元々、最終話では人間ドラマをたっぷりと見せてくれていますけど...)
高村さんの出向先はやはり海外でした。
スコットランド・ヤードには
愛ちゃんが留学していたということなので、ケー刑事ではお馴染みの所であり、無難な所でもあります。(こうなると、次に高村さんが戻ってきた時の最後の銭形との別れの物語では、フィンランドのムーミン谷署への出向か、これまでと同じ所に出向とならない限り、新たな海外警察のネタフリをしておくことになるのでしょうね。→それはそれで楽しみですけど...)高村さんのことだから、また何かとんでもないことをしでかして、日本に戻ってくることになって、
海ちゃんの妹・7代目、8代目とコンビを組むことになるのではないか、と思います。(普通に考えると、7代目の2nd.と8代目の1st.に登場するのではないかと思われますけど...)ということで、高村さんの次なる復帰も期待しています。
ところで、
泪ちゃんは高村さんの出向の話を全く知らなくて本人から聞いたことになったが、その後はおじいちゃまは、高村さんの海外出向先をちゃんと
零ちゃん、
雷ちゃん、
海ちゃんに伝えているんですね。これはやっぱりおじいちゃまも
泪ちゃんの時を反省したのでしょうかね。
今回使われた毒は「青酸カリ」でしたが、「ケータイ刑事」ではお馴染みの猛毒・
ウラリも即効性の猛毒でしたよね。つまり、ウラリを使っても全く同じトリックが使えたことになりますが、それなのに「青酸カリ」とした所も「シリアス路線」だということをアピールしていることになり、同時にKJ脚本の冴えている所でした。(KJは「
銭形海」ではもはや第2ライターの地位を完全に固めたようですね。)
今回の海ちゃんCMは、前回と同じバージョン9となる「公園のベンチ編」でした。最初の2つが4回(これらは1度に2本ON AIRされた)、3つ目が2回流れましたが、あとは1回ずつになっていたので、久しぶりの複数回のON AIRとなりました。(よって、前回と同じなので、詳細は省略。)
↓やっぱり「泪・2nd.22話」とは随分と違う別れの物語でした。
↓嘘泣き泪ちゃんは海ちゃんも勉強しました。
↓愛ちゃんもスコットランド・ヤードに行っていました。
↓念のために
新・自分で治す「冷え症」
- 作者: 田中 美津
- 出版社/メーカー: マガジンハウス
- 発売日: 2004/08/26
- メディア: 単行本
↓やっぱりこれは必要です。
ザ教養 魚へん魚講座
- 作者: 江戸家 魚八
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2002/08
- メディア: 新書
↓高村さん、柴田さんにこういうものを付けさせたら如何?