本作は刑務所を脱獄した7人の女囚たちの逃亡劇と、それを追う警察の行き詰まる戦いの物語である。尚、本作では主人公・松島ナミの台詞はたった二言しかないが、野性的な目がギラギラと輝く梶芽衣子さんの演技が光っている。また、バイオレンス描写も前作以上になり、言葉が無くても貫禄で物語を見せてくれる。
冒頭の刑務所の視察のシーンから、さそり・松島ナミの目はギラギラとしていて、例え非人間的な扱いを続けられていても、決して腐ることのない執念をクールさの中に秘めた姿は貫禄そのものであり、ここから見る者を虜にしてしまう。懲罰ということで重労働をさせられる女囚たち。でも、いつの時代、ここは何処なんだろうかとも思ってしまう。→この辺りは'70'sの無国籍ドラマらしい所でもありますが...
刑務所に戻る護送車の中で、ナミがリンチを受けて死んでしまう。が、これは脱獄するための策略であり、刑務官たちを欺き脱走に成功する7人。で、自分たちをいたぶった刑務官に復讐していくが、これはあまりにも過激である。(そこが'70'sのバイオレンス作品だからということも出来るが、前作よりもはるかに過激であり、現在ならば「PG指定」どころか「R指定」を受けるのは確実である。)
逃げる7人と、威信にかけても捉えようとする警察の追っ手。一人、また一人と命を落としていく女囚たち。そんな中で、白石加代子の鬼気迫る演技がまた秀逸である。
ラストのクライマックスも、とにかく貫禄でたっぷりと見せてくれるが、全ての憎悪を刑務所長にぶつけて襲うナミだが、権力に対する反発、また権力を持つ者は薄汚れた企みを持っているなど、社会風刺として捉えることが出来るが、あまりにも過激な演出は'70's作品と言ってもあまりにも過激である。(間違いなく、そのまま受け取ってしまうような年代の子供には見せるべきではないですね。)