今回の物語は第17話(2nd.4話)の「おっちょこちょいなミステイク 〜放送事故殺人事件」である。これは、TBSの「
銭形泪」の放送の時に実際に起こった放送事故(1st.4話を放送するはずだったのが、2nd.4話が放送された。)を元ネタとしている物語である。「放送事故」となったら普通は大問題になるのですが、こういうところまでネタにしてしまうのは「ケー刑事」ならではです。更に、劇中ドラマとして「理想の刑事」というものが登場するが、こちらはパロディ精神満載で、やはり「ケー刑事」です。
尚、本記事のタイトルに「[改訂版]」とあるのは、「銭形零」は全話過去に一度記しているが、その時の記事をベースに加筆&修正を行ったため「[改訂版]」としています。(以前に記した記事をご覧く場合は、ここをクリックして下さい。)それではいつものように、長文&今更ながらのネタバレありで本編に行きます。
警視庁、89年度行方不明者名簿を見ている零ちゃん。(日本は元号を使っているので、国の機関である警視庁では「89年度」ではなく「平成元年度」となるのが正しい所です。が、国際時代の現代であれば、日本でしか通用しない元号ではなく、国際的に使われている西暦を使うべきであり、この点では正しい使い方でしょう。→やっぱり「ケー刑事・ワールド」は主張があります。)で「行方不明者って結構いるんだ」と呟く零ちゃん。が、五代さんは漫画を読んでいて笑っている。(「浦安鉄筋家族」の様ですが、何巻なのかは確認できず。)で「五代さんも手伝ってくださいよ」と文句を言う零ちゃん。しかし「だって、これ、面白いんだもん」と五代さん。すると「いい年をして漫画ですか?」と零ちゃん。すると五代さんは「漫画はね、日本が世界に誇る最高の文化なんですよ」と言って反論する。(五代さんの主張はよく分かります。更に、泪お姉ちゃまは漫画「プリマをねらえ」の大ファンでした。→漫画を甘く見ないでください、零ちゃん。ここは五代さんの主張を支持する筆者です。)
が、零ちゃんは新聞記事を見せて、(横浜市青葉区)緑山のマンションから行方不明になっていた4人がマンションの基礎部分から白骨化した遺体で発見された事件のことを口にする。遺体と一緒に出てきた週刊誌が1989年12月発売号だと言う零ちゃん。が、五代さんは「ベルリンの壁が崩壊した年だ」と教養のある所を披露する。更に「当時、ヒルダーというプラチナブロンドの女の子とつきあっていた」と言う。(が、この名前は1989年に阪神タイガースに在籍していたフィルダー選手(後、大リーグに復帰してホームラン王を獲得している)をもじっているのが分かります。)零ちゃんは「これは立派な殺人、及び死体遺棄事件ですよ」と言うが、五代さんは「やれやれ、銭形」と言うと、立ち上がってホワイトボードの前に立って「時効」の話を始める五代さん。(今回の物語のBS-iでの初放送は2005/1/23でした)現在は2005年で、事件は1989年だから16年が経過していて、殺人事件の時効が成立していると説明する。(確かにそうですが、1989年12月だったら2004年12月が時効だから、本当に時効になったばっかりです。しかし、容疑者が海外に行っていたら、まだ時効は成立していない可能性もあります。尚、現在は刑法が改正されて、殺人事件の時効は25年になっています。)で、時効を迎えた犯人を捕まえても罪に問うことは出来ない、とまともなことを言う五代さん。零ちゃんも「分かっています。それでも罪を隠してのうのうと生きている人がいるなんて、許せません」と、正義に燃える
純真な中学生です。で、五代さんも零ちゃんのその性格に惹かれて手伝うことにした。
書類の山に手を入れた五代さんだったが、零ちゃんは思い出したようにテレビのリモコンを手にしてスイッチを入れる。五代さんは「俺が手伝うと言った途端にサボりかよ?」と不満げに零ちゃんに言うが、笑顔の零ちゃんは「今日は「理想の刑事(デカ)」の放送日なんですよ」と言う零ちゃん(→このタイトルは、TBSで1997年の4月から6月にかけて放送されたドラマ「理想の上司」(主演は長塚京三(役名は坂本時雄)。松雪泰子(万里華)、石田ゆり子(笑美子)、木村佳乃(菜乃子)の3人がオチこぼれOLを演じていた。また、このドラマのプロデューサは「丹羽多聞」です。→だからネタになるんですね。)が元ネタである。)五代さんは「理想の刑事?」と尋ねるが、「知らないんですか?BS-iでやっている刑事ドラマですよ」と言う零ちゃん。(この口調は泪お姉ちゃまのお得意の台詞ですね。)五代さんは漫画とアニメにしか興味が無く、知らないと言うが、テレビからは「大人になったらBS-i」という宣伝スポットに続いてドラマが始まった。OPテーマ曲が流れてくると画面に登場したのは五代さん?(いえいえ、主役は長塚時雄で、これを演じるのが山下真司とテロップに出る。)「ケー刑事」調でナレーションで「ベテラン刑事・長塚時雄。人間観察に長け、射撃を得意とし、卓越した推理で謎を解く。だが、彼が優れているのはそれだけではない。経費削減をモットーとし、領収書はマメに精算。お昼は勿論愛妻弁当。部下の信頼もすこぶる厚い。人は彼を理想の刑事と呼ぶ」(このノリはやっぱり「ケー刑事」です。でも、ちょっと冗長的ですね。)更に出演者のテロップで、松雪万里華を演じるのが「夏帆」と出る。(ということで、ちゃんと「理想の上司」の登場人物名をいじっています。)
で、五代さんも零ちゃんと一緒にテレビを見始めて、OPを見ただけで「これ、結構面白いなあ」と言う。で「でしょう」と零ちゃん。そしてこれだけは毎週欠かさず見ていると言いました。(でも、それならば家でちゃんと録画予約をしていると思いますけど...)五代さんは「この刑事、格好良くない、俺に似てない?」と言って、直ぐに気に入ったようです。で、テレビにはサブタイトルが出る。「第十話 劇団ちからわざ殺人事件」(当然、「泪・1st.4話」の「舞台の上で死ねれば本望だ! 〜劇団ちからわざ俳優殺人事件」をもじっているサブタイトルです。)すると、零ちゃんはいきなり「レレレ」と口にする。「んっ?」と言う五代さんに「変です。第4話のはずなのに第10話って...」と零ちゃん。→毎週見ているから直ぐに気がつくのですね。更にテレビに「脚本 里 氏郎」(さと・うじろう→当然、さとう・じろう(佐藤二朗)のもじり)とテロップが出ると、「脚本家も違う。本当なら今週は「早志摩子(はや・しまこ→当然、はやし・まこと(林誠人)のもじり)です」」と零ちゃん。→そこまで頭に入っているとなると、零ちゃんは完全な「理想の刑事」マニアですね。
テレビからは「謎は解けたよ、マドモアゼル」と長塚の台詞。(完全に「ケー刑事」をいじっている...)で、ドラマを見入っている五代さん。が、零ちゃんは「おかしいなぁ」と改めて口にする。すると五代さんは「急遽変更になったんですよ、これは...」と、こういう所は大人の発想である。と言うところで零ちゃんの携帯に「警視庁から入電中」と事件を知らせる入電が入る。港区赤坂のBS-iで脚本家・早志摩子が変死体で発見。直ちに現場に急行せよ、ということでした。(それにしても、BS-iはよく事件が起こる放送局です。これも「港区赤坂」にあるため、呪われているのでしょうね?)
事件現場となったBS-iにやってきた零ちゃんと五代さん。入口には「BS-iはTBSの生命線」という標語がかけられており、更には「偉大なる指導者様万歳」として、生井社長と丹羽プロデューサの写真が飾られている。(まるで、某独裁国家ではないか...また、お馴染みの標語の方もたっぷりと出てきます。)「現場は何処ですか?」と尋ねる五代さんだったが、
電話が鳴りっぱなしで、社員たちがその対応に大わらわという状況では誰もその声に応えるものはいない。で、零ちゃんが「すいません」と声をかけても無視して電話に出る社員。で、電話を切ったばかりの社員に声をかける零ちゃん。が「それどころじゃない」と言ってあしらわれてしまう。(でも、人が死んでるんですけど...)
事件現場となった会議室。零ちゃんと五代さんは捜査を開始。柴田さんの報告で、猛毒のオズマゴロシが検出され、死亡推定時刻は午後7:15(この時間は「理想の刑事」の放送中です)ということだった。また、志摩子の目の前には「理想の刑事」の最終話の脚本(「さらば長塚! 理想の刑事・最後の事件」というサブタイトル)の原稿(鉛筆書き)の束があり、その一番下には二つ折りにされた原稿用紙があった。それを手にした零ちゃんが広げてみると「自分は死をもって抗議する!」と原稿用紙のほぼ中央の行に書かれてあった。で、五代さんは早速「自殺か...」と口にする。
「理想の刑事」プロデューサ・安藤竜(あんどう・りゅう→アンドリウのもじり)に確認すると、それは志摩子の字だった。でも、安藤はクレームの電話を受けながら、同時に零ちゃんの質問にも答えている。(よって、なかなか先に進まない。)志摩子は今でも原稿用紙に手書きであり、筆跡は分かると言う。で、電話を切った安藤に、志摩子が亡くなった理由に心当たりは無いか、と尋ねる零ちゃん。志摩子は会議室に籠もってシナリオを書いていていつもと変わりがない、という答え。そこにまたも
電話の呼び出し音が鳴り、電話に出る安藤。で「悪いけど、後にしてくれないか」と言う安藤に「人が一人死んでるんだよ」と五代さん。(その通りですね。)「死にたいのはこっちだよ」と言う安藤。
そこに「おはようございます」と言って「理想の刑事」編成担当・寅口辰之助(とらぐち・たつのすけ)が出社してくる。で、彼は寝坊して慌てて家を飛び出してきて、ジャージ姿で、左右の靴が違うものを履いていた、ということを笑いながら言う。で、安藤も笑いながら「おっちょこちょいなんだから...」と言うが、直ぐに険しい顔になり「バカ野郎!おっちょこちょいにも程がある。お前のミスで放送事故だよ、放送事故」と雷を落とした。ということで、別室に連れて行かれた寅口は安藤のお目玉を。零ちゃんと五代さんは扉の向こう側から中の二人の様子をじっと見ている。で、言い訳をする寅口。今週の「理想の刑事」は4話目だということは分かっていたが、机の上にこのテープ(10話のビデオテープ)が置いてあり、「十」という漢数字の横線が少し曲がっていることから「数字の「4」に見えません?」と悪びれた様子のない寅口。(でも、ごく普通のビデオテープに放送する素材を収録しておくものですかねぇ?ベーカムの大きなテープだったらまだ分からないでもないですが...)
で、「「4話」と「10話」を取り違えるなんて、前代未聞、言語道断だよ」と寅口を責める安藤は、スポンサーは
オカンムリ、視聴者からは抗議の電話
が殺到しているということを告げる。更に寅口は去年までは人事部にいて、とんでもないおっちょこちょいをしては大騒ぎだったという聴いていたことも告げる。(そんな人間をよくもまあ大事な仕事の部署に配置換えしたものですね。)で、この責任をきっちり取ってもらうと言うと、「出てけ!」と安藤の怒りは頂点に... で「すいません」と言って寅口は会議室から出て行った。
寅口が目の前を通っていくと、様子をずっと見ていた五代さんは「これで志摩子の自殺の動機がはっきりしたなぁ」と口にする。これに「えっ?」と零ちゃん。で、五代さんの説明が始まる。執筆の合間にテレビをつけた。自分の脚本の回が流れるはずが別の脚本家の回が流れていた。それで激しい怒りとショックで、放送事故に抗議して自殺をした。(相変わらず、ストレートな推理ですね。)すると、それを耳にしていた寅口が話に割り込んできて「それってつまり、先生を自殺に追い込んでしまったのは僕ってことですか」と言って五代さんと零ちゃんに詰め寄り、更には頭を抱えながら「もっと注意深くしていれば...バカ、バカ、僕のバカ」と言って自分の頭を叩きながら自分を責める。で、零ちゃんと五代さんは「自分を責めない方が良いですよ」と慰めの言葉を書けるが、既に寅口は
泣き始めていた。(で、この時3人が立っている横に「ケータイ刑事 銭形泪」のDVD-BOX 1巻の大きなポスターがありますが、「
涙/泣く」と言えばやっぱり泪ちゃんですよね。これは心憎い上手い小道具です)
で、寅口は「分かりました、僕も男です」と言うと、側にあったソースを手にして「寅口辰之助、今からこれを一気飲みして死んでお詫びします」と言って、ソースの瓶を振り、蓋を開けて飲み始めようとする。そこに零ちゃんが「あの〜」と待ったを掛ける。「止めないでください」と言う寅口だったが、零ちゃんは醤油の瓶を持ってきて「一気飲みして死ぬのはソースではなく醤油ですよ」と言う。寅口も「そうですよ、醤油ですよ」と言うが、零ちゃんが醤油を手にしていることに気づく。五代さんは得意のオヤジギャグ「醤油うことでしょう」で、寅口は膝をついて「なんておっちょこちょいなんだ...」と言ってまたも
泣き始める。零ちゃんは「泣かないでください、志摩子先生は放送事故に抗議して死んだんじゃありませんから」と告げる。すると急に泣き止み「えっ?」と言って零ちゃんを見上げる寅口。しかし五代さんは「何を言い出すんだ、お前」。
零ちゃんはポケットから先ほどの遺書を取り出して「だってこの遺書変ですもん」と言う。女の人で自分のことを「自分」と言う人はそんなにいないということで、普通なら「私は死を持って抗議する」と書くはずだ、と言う。が、五代さんはそういう女の人もいるということと、志摩子の筆跡に間違いない、と言って自殺説を変えない。すると零ちゃんは、その遺書を電灯に空かしてみせて「よく見て下さい、これ。随分消しゴムで消した後がありますよね」と指摘する。が、五代さんは「これ、最後の文章でしょう。書き直して当たり前でしょう」と気にしなかった。で「違うと思います」と零ちゃん。
零ちゃんは安藤に第1話の原稿を見せて貰えないかと頼み、安藤からそれを受け取る。で、目を通し始める。すると、3ページの次は5ページとなっていて、1ページ抜けていた。で、遺書を示して「これがそのページです」と言う。零ちゃんは第1話をビデオに録って5回見返していたので、間違いないと断言する。(→零ちゃん。やっぱりマニアです。)で、この台詞を言っていたと思い出して安藤に確認する。ということで、「何者かが自殺に見せかけて殺害したということです」と零ちゃん。しかし、どうやって志摩子に毒を飲ませたが分からない。が、机の上にあった鉛筆が目に入った零ちゃんは「志摩子先生には鉛筆を噛む癖がありましたね」と安藤に確認する。「何で知ってるんだ?」と言う安藤だったが、机の上にあった鉛筆には歯形が残っていたということで零ちゃんは見抜いたのだった。で、鉛筆の端に毒を塗ったものにすり替えて殺し、その後持ち去ったと推理した零ちゃん。
で、五代さんは「そうか、そういうことか」と言うと安藤に詰め寄り、安藤が犯人だ考えた。鉛筆を噛む癖を知っていて、原稿を保管していたのも安藤だかにというのがその理由だったが、安藤は犯行を否定し「こっちはせっかく捜査に協力している」と言って反論する。更に、(安藤には運良く)放送事故のクレーム電話が入っていると呼ばれて逃げてしまう安藤プロデューサ。五代さんは追いかけていこうとするが、零ちゃんはそれを完全無視し、志摩子の遺体からダイイングメッセージを探そうとする。(志摩子はダイイングメッセージの残し方が上手くて定評があるということを説明してくれる零ちゃん。→やっぱりマニアです)そうしていると、柴田さんが志摩子の遺体を運びだそうとして、人を呼び、志摩子の遺体が乗せられた担架を担ぎ上げた。すると、志摩子の腕時計をはめた左腕が零ちゃんの目の前に。で「レレレ」。(志摩子の腕時計の文字盤は「子丑寅…」というように、昔の日本での時刻の言い方に使われている文字が並んでいた。)その時計を目にした零ちゃんは「五代さん、この時計、遅れています」と言う。零ちゃん。で、部屋の時計で時刻を確認すると、「今は8:15だから、3時間と5分ずれています」五代さんも「本当だね」と志摩子の時計が遅れていることを確認する。で、零ちゃんは「増せり、悪の数字」(ここでAパート終了。経過時間は約15分ということで、Bパートは約10分半ということになります。)
時計が遅れた理由を考える零ちゃん。しかし五代さんは「よくあることですよ。電池が切れかかったんじゃないの」と気にしていない。「そうかなぁ?」と言う零ちゃんに五代さんは「また、短針と長針の角度が…、小難しい計算しようとしていたんじゃないの?」と口に出す。(でも、この針の角度ネタは「零・1st.13話」のことで、高村さんの時でした。→五代さんと高村さんは従兄弟なので、話は聞いていたのでしょうが...)が「別に考えてませんよ」と返す零ちゃん。これに五代さんは「もう、数学は止めなさい。本を読みなさい」と言うと側にあった「理想の刑事」の台本を零ちゃんに手渡す。が、それは今日放送される予定だった第4話「就職戦線異状あり!殺人事件」の台本だった。(「就職戦線異状なし」という映画がありましたね。しかもこれは他局の制作です。)五代さんは別の台本を手にしていて「レレレのレ」と口にした。で「今回の放送事故で一人だけ得をする奴がいるじゃない」ということで、10話を書いた脚本家が怪しいと言いだた。で、10話の脚本家・里氏郎を呼ぶことにした。
里はなかなか現れなかった。で伸びをしている五代さん。そこにドアが開く音がして人が入ってきたが、やってきたのはパイ屋の遠州理津だった。「何で遠州さんが?」と零ちゃんが尋ねる。(五代さんは「何だ、お前知り合いか?」→確かに、五代さんの前には遠州理津は初のお目見えです。)で、遠州理津は「パイ売りの傍ら「里氏郎(さと・うじろう)」というペンネームでシナリオを書いているんですよ」と説明する。零ちゃんは「初耳です」とちょっと驚いた様子だった。(テロップで、「脚本家・里氏郎(さと・うじろう)[ペンネーム]」と出るのは親切な「ケー刑事」です。」で、「もしよかったら、私の劇団の芝居を見に来てください。劇団ちからわざ、と言います」、と言ってチケットを出す。(「劇団ちからわざ」→これは佐藤二朗さんが主催する劇団であり、「泪・1st.4話」にも登場しました。)が、五代さんは「志摩子先生を恨んでいただろう」と言うと、目が泳ぎ出す遠州理津。(相変わらずのジロー・ワールドです。)五代さんはすかさず責める。で、「あいつは私のパイをまずいと言った。」と言って恨んでいたことを認める。で、「わさび入りのパイで仕返ししようと決めていた。」と続ける遠州理津。(何か、根暗な復讐ですなぁ〜)「しかも、そのわさびは、私が牛の刻参りに行った神社の湧き水で栽培したものなんです」と続ける。零ちゃんは「丑の刻参り?」と漏らすが、これがヒントになり、じっくりと考えだし、携帯を開いて志摩子の腕時計の写真を見ると「謎は解けたよ、ワトソンくん」。
BS-iの事務所。寅口が始末書に押印しようとしているが、間違えて自分の所ではなく上段の社長の所に印鑑を押してしまう。で「あっ、いけない、社長の所に押しちゃった」と漏らす。そこに零ちゃんの問題が出題される。「ケータイ刑事銭形零のチーフ脚本家でお馴染みの林誠人先生は400字詰めの原稿用紙を1枚20分で書き上げます。では、3時間後に書き上がる枚数は?」寅口は落ち着いて考えると、クイズの早押しボタンを押し、問題に「9ページ」と答える。(いつの間に、早押しボタンなんか用意したんだ...?)しかし、零ちゃんの問題は「ですが」と続く。「そんな林誠人先生の代表作「理想の上司」最終回の視聴率は何%?」とようやく問題が出題される。が、「視聴率?」ということで答えられない寅口。鐘の音が響くと、銭形ストラップが飛んできて、ゼロの形をしたチェーンが舞い、寅口を捕らえる。「午前零時の鐘の声。…」零ちゃんの口上が始まり「わらわの暗算、解いてみよ」でチェーンを引く零ちゃん。寅口は大回転からその場に倒れ込む。「何するんですか」と言う寅口。零ちゃんは「志摩子先生を殺したのはあなたですよね」と言う。しかし、「何で僕が?」と惚ける寅口。
すると零ちゃんは「白骨化した4体の死体発見」の新聞記事を手にして語る零ちゃん。「これって、あなたが16年前に起こした殺人事件の被害者ですよね」と言う。しかし笑いながら「何を根拠にそんなことを」と惚ける寅口。すると「根拠はこれです」と言って「理想の刑事」の第4話の台本を見せる零ちゃん。そして、「これには当時の犯行の動機と手口がそのまま綴られていたんじゃないですか」と語る。寅口は零ちゃんから目をそらしてしまう。で、零ちゃんが説明を続ける。寅口はうっかり口を滑らせて、志摩子に事件のことを話した。で、シナリオのアイデアが浮かばなくて困っている志摩子が寅口に「ネタ、持ってない?」と相談した際、寅口がネタとして語った。(あるテレビ局の人事部で採用を担当している男が、来年入社予定の学生4人に脅される。ということで、ここで「BSフジ」という他局の名前が出てくる。)で、志摩子はそのままそのネタを脚本にしてしまい、それが全国に流れるで警察に感づかれるのではないかと寅口は不安になった。しかも放送日の前日に死体も発見された、ということで、放送事故を起こしてまで露出を防いだ。更に、放送が10話になっているのを見た志摩子は新聞記事から寅口が事件の犯人だと気づいていた。で、このまま志摩子を生かしておく訳にはいかないと思った寅口は二度目の罪を犯した。
「そんなのでっちあげだ」と言う寅口だったが、「動かぬ証拠を見つけたんだよ」と言って五代さんと柴田さんがやってきた。柴田さんが袋に入れた鉛筆を店、五代さんが「トイレに落ちていたんだ」と言い、柴田さんが「オズマゴロシと共に君の指紋も検出された」と告げる。すると寅口は観念した。「でも、どうして分かったんだ?」と漏らす寅口に零ちゃんが「先生がちゃんとダイイング・メッセージ、残してくれましたから」と説明する。志摩子の時計は遅れているが、それは志摩子が死ぬ直前に針を動かしたものだった。今は8:45で、志摩子の死亡推定時刻から90分経っているので、90分針を戻す零ちゃん。すると時計は4:10。これは「寅」(文字盤の「2」の位置)と「辰」(文字盤の「4」の位置)で「寅口辰之助」と零ちゃん。で「以上、Q.E.D.」
で、五代さんが寅口を逮捕しようとするが、その前に「一つ、聴いて良いかなぁ?」と言って質問を一つ。「ひょっとしてお前、時効が15年って知らなかったの?」これに寅口は「まさか、勿論知ってました。海外旅行の期間は時効にカウントしないことも。」と答える。で、自分が外国にいた時間を思い出して、それらの時間を足すと、時効成立は1/20(放送日の3日前)ということで、安心した寅口だったが、「韓国に行ってきた」という社員の言葉が耳に入り、韓国に行っていたことを忘れていた寅口。で、韓国に行っていた日数を加えて計算すると、本当の時効まであと3ヶ月あることが分かったという。(ということで、冒頭の時効の計算ですが、15年を過ぎても、まだ時効が成立しないという実例です。)で、「うっかりしてました...」と言う寅口。これに「うっかりじゃ済まないんだよ」と、ここは良いことを言う五代さんです。で、寅口を逮捕した。
事件解決後、「本当におっちょこちょいな犯人でしたね」と漏らす零ちゃん。「あんな奴の犯行が16年もばれないのが不思議だね。16年って長いよ。赤ちゃんが高校生になっちゃうんだからねぇ」と言う五代さん。(確かに長いですね。零ちゃんはまだ13才の中学生ですし...)で、零ちゃんは「行方不明者リストの間から良いもの、見つけちゃいました」と言うと、嬉しそうに写真を鞄から取り出した。それは16年前の研修旅行の写真だった。で、五代さんが写っていた。で「若い!」と言って五代さんを冷やかす零ちゃん。そして「皆さん」と言ってその写真を見せてくれる。(最初はモザイクがかかっていたが、それが消えると、)確かに若い五代さんでした。(慌てて「放送事故」と言ってその写真を回収する五代さん。で、零ちゃんの笑顔がありました。)
今回の物語は、TBSで起こった放送事故を元ネタにした物語でしたが、上手く持って行った物語でした。それにしても、「銭形泪・1st.4話」の放送のはずが、「2nd.4話」を放送してしまうというのだから、TBSもやってくれます。→やはり、港区赤坂にあるということで、時空が歪んでいることから色々と起こるのでしょうか?(MBSではそのようなことはありませんでしたが...)尚、この物語は2005年1月23日の放送であったため、「殺人事件の時効=15年」ということになっていますが、現在は法律改正によって25年となっています。(まあ、16年前の事件を26年前の事件にして、犯人の設定年齢を10歳上にすればいいことですけど...)「銭形泪」の「冥王星」のネタと言い、今回の物語といい、次々と放送当時から変わっていくことが出てきていますが、それだけ時間が流れても陳腐化することが無く面白いのが「ケー刑事」です。今はまだいいけれど、20代目、30代目のケー刑事が誕生した頃に再放送すると、テロップで「注意」ということで説明を追加するのでしょうか。(「ケー刑事」だったら、そういうことはやりそうです。)
次回は第18話(2nd.5話)「富豪刑事もビックリ!勝手にコラボレーション 〜刑事まつり殺人事件」ということで、「富豪刑事」のあのキャラが登場する物語です。また、へんてこりんな刑事たちが次々と出てきます。ということで、「何でもありのケー刑事」ということで突き進んでいく「銭形零」です。
鑑識メモ。零ちゃんの問題の答えを言う柴田さん。最初に「今回の問題はフェイント」と言ってから改めて問題を言い、答えを「19.7%でした」と言う柴田さん。(地上波で日曜21時の放送でしたから、なかなかの数字です。(ちなみに、当時はまだBSデジタル放送はありませんでした。)で、「もはや零ちゃんの問題は暗算では解けません。電卓片手に待っていたみなさん、残念でしたね」と言って笑う柴田さん。するとブーイングが起こり、紙を丸めたゴミが飛んできて... 「止めてください」と言う柴田さんでしたが、火の着いた観客は簡単には収まりませんよ。で、あの方はまたも携帯を閉じてしまいました。
↓劇団ちからわざの物語はこちらに収録されています。
↓涙といえばやっぱり...
↓「おっちょこちょい」といえばこのキャラもそう言われていました。
↓五代さんが読んでいました。
浦安鉄筋家族 (1)
- 作者: 浜岡 賢次
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 1993/06
- メディア: 新書
DVDもあります。
浦安鉄筋家族(1)
- 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
- 発売日: 2001/02/25
- メディア: DVD
浦安鉄筋家族(2)
- 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
- 発売日: 2001/02/25
- メディア: DVD
↓「時効」ということで
時効警察オフィシャル本
- 作者: テレビ朝日『時効警察』スタッフ
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2006/05/26
- メディア: 単行本
時効警察
- 作者: 三木 聡, 岩松 了, 園 子温, ケラリーノ・サンドロヴィッチ, 塚本 連平
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2006/03/11
- メディア: 単行本
新シリーズに雷ちゃん(早織ちゃん)が出演するそうです。
時効警察 DVD-BOX
- 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
- 発売日: 2006/06/23
- メディア: DVD
時効
- 作者: 北野 武
- 出版社/メーカー: ロッキング・オン
- 発売日: 2003/09/12
- メディア: 単行本
民事時効の法律と実務
- 作者:
- 出版社/メーカー: ぎょうせい
- 発売日: 1996/02
- メディア: 単行本
↓劇中に出てきた学習事項
理想の上司
- 作者: 林 誠人, 楠本 ひろみ, 大寺 茉莉絵
- 出版社/メーカー: 近代映画社
- 発売日: 1997/06
- メディア: 単行本
就職戦線異状なし
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 1992/06/19
- メディア: ビデオ
ベルリンの壁崩れる―移りゆくヨーロッパ- 作者: 笹本 駿二
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1990/05
- メディア: 新書
元・阪神
- 作者:
- 出版社/メーカー: 廣済堂出版
- 発売日: 2006/06/30
- メディア: 文庫
猛虎の70年
- 作者:
- 出版社/メーカー: ぴあ
- 発売日: 2005/08
- メディア: 単行本
↓参考までに
醤油
- 作者:
- 出版社/メーカー: アスペクト
- 発売日: 1999/09
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
調味料・香辛料の事典
- 作者:
- 出版社/メーカー: 朝倉書店
- 発売日: 1991/07
- メディア: 単行本
ソース造りの基礎とレシピー
- 作者: 太田 静行, 佐野 征男, 世永 昭広, 武政 三男, 西 相子
- 出版社/メーカー: 幸書房
- 発売日: 1995/12
- メディア: 単行本